りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,735

 

「外構の本質を知ろう 編」・・・南欧系は過剰装飾にご注意!

南欧系(風)の「外構」について検証中です。この項では、同系デザインのポイントについてチェックを試みます。折角こだわった「外構」だったのにまったくお洒落感が無い。それどころか、悪趣味とさえ感じることがある。そんな声が良く聞こえてくるからです。南欧系の「外構」は高い人気を持っている反面、失敗とまでは言いませんが、今1つしっくり来ない作品が最も多いこともお忘れなく。

デザインの特徴としては、装飾性、柔らかなライン、明るい色調、などを上げることができます。より具体的に言うなら、曲線を活かした、淡い色調(主に暖色系)の塗り塀がベースとなっていると言うこと。従って、オープンスタイルもゼロではないが、セミクローズ(セミオープン)・クローズスタイル向きと言うことも出来ます。

ここで最大の課題は曲線と装飾性です。となれば、全体のラインや窓・スリット・小物による装飾にこだわりたくなるのは当然。また、そのこと自体は南欧系の「外構」にとり極めて重要なことです。ただ、この系統のデザインの場合い、部分だけにこだわりすぎて、全体のバランスを崩すと言う落とし穴があります。結果、過剰装飾・意味の無い装飾物・意味の無い曲線、と言ったものが全体の雰囲気を壊してしまう作品が多くなります。むしろ、少な目の曲線、少な目の装飾をこころがけ、1~2点に集中し徹底的にこだわる・・・このような視点を大切にしてください。

また、曲線を使う場合は、一般的な垂直面の曲線だけではなく、水平面の曲線(平面アール)を使うことがあります。そして、水平面の曲線を有効に使うと言う技法は、デザイン面でも極めて有効です。ただし、ブロックをベースとする場合は、工法的に問題が出ることが多く、特に大きくて高い塀の場合は、構造面の配慮(RC工法を使う、等)をお忘れなく。下手をすると事故に繋がる危険性もあります。

もう1つ大切なことは、塗り壁自体が他の仕上げと比較すると、耐久性・品質面で劣ると言うこと。従って、丁寧な下地作り、耐久性のある塗料の採用、メンテナンス、定期的な塗り替え、等を予め想定して置いてください。eggの加盟店では、下地に撥水剤(サーファポア)を、仕上げに汚れ防止剤(サーファシールド)を使うことにより、少しでも長く美しく塗り塀を保つ工夫も行っています。

やや暗いイメージが付きまとう日本の「外構」や住宅。それだけに、南欧系の持つ明るさへの憧れは強く、今後も高い人気を維持していくことでしょう。当然、このようなイメージの作品にすることで気分も明るく楽しくなると言うメリットもあります。だからこそ、よりお洒落で、より満足感が得られる作品にすることが大切。上記ポイントを参考に、専門店とお客様のセンスを活かした、最高の作品作りにぜひチャレンジを・・・

そこで本日のひと口アドバイス。

「南欧系だからこそ、少な目の曲線、少な目で超こだわりの装飾を!」

(りょう)

 

 

 

 

 

平面アールを使った門廻り

 

 

 

 

 

 

シンプルに纏めたデザイン

 

 

 

 

 

 

装飾物を多用した塀