りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,736

 

「外構の本質を知ろう 編」・・・装飾にもこだわるアールデコ系!

「外構」のデザインについて検証中です。そして、この項からは、モダン系、南欧系(風)に続き、アールデコ系を取り上げます。と言っても、「外構」デザインでアールデコ系と言う分類を設けるのはむしろ稀です。ただ、どの分野にも入れにくい、やや装飾性の強いデザインには根強い人気が有り、これをアールデコ系として纏めました。

世界のデザインの流れを主導してきたのはやはりヨーロッパです。そして、バロック・ロココに代表されるように、中世~近世にかけては非常に装飾性に強い物が好まれました。しかし、工業化の流れも加わり、より幾何学的でスッキリした感覚を取り入れようという動きが、19世紀後半~20世紀初期に活発化しました。アールヌーヴォーと言う芸術の流れも大きく影響していたと考えられます。そして、従来からの慣習とも言える装飾性を残しながらも、より機能美を求めた建築物、家具、食器等が多数発表されました。この一連のデザインをアールデコと呼びます。

従って、アールデコとは近世以前と現代の橋渡しをしたデザイン郡とも言えます。1910~1930年がそのピークとも言われ、1925年のパリ万博で世界中の注目を集めました。つまり、それほど長い期間、アールデコ的なものが流行したわけでは無いということ。しかし、機能的では有りながらも、少しレトロで装飾へのこだわりも残っている。このようなデザインは今も厳然として生き残っています。

現代の「外構」に話を戻します。洋風デザインが住宅の多数派となっていますが、ただ、バロック・ロココ調と言った極端に装飾性が強い物はさすがにほぼゼロ。しかし、モダン系には含めにくい、少し懐かしい感覚で、窓・玄関・全体の構成などは装飾性も重視した住宅はかなりあります。当然「外構」も同じです。例えば、白を基調とした輸入住宅、レンガやレンガタイルを使った住宅など。これらをアールデコ系として纏めました。従って、ここではあまり歴史にとらわれることなく、洋風で比較的装飾性の強い住宅・「外構」、それがアールデコ系と解釈してください。

価格帯としては、中・高額物件が主体。そして、非常にお洒落で秀作が多いのも、このアールデコ系の特徴でもあります。住む人も、プラン作成側もこだわりを持った人が多いからでしょうか? また、全体のデザインだけではなく、部材についても徹底的な差別化が図られることも珍しくありません。例えば、最近は軽視されがちな門扉にしても、鋳物やローとアイアン製で、特注されることも・・・

「外構」は基本的に一品物です。ただし、使用材料は次第に大手メーカーの製品ONLYとなりつつあります。しかし、アールデコ系の外構の場合は、使用部材も一部手作り(オーダー)と言った楽しみもあります。次項では、オーダー感覚・オーダー材料にもスポットをあてながら、アールデコ系の「外構」についてもう少し詳しく検証してみたいと思います。

そこで本日のひと口アドバイス。

「適度にレトロ、こだわりの装飾、でも全体的には機能的・・・それがアールデコ系!」

(りょう)

 

 

 

 

 

 

 

アールデコ:クライスラービル

 

 

 

 

 

 

アールデコ:TGドーム

 

 

 

 

 

 

 

 

アールデコ:食器類