りょyさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,753 

 

「+αの植栽大研究 編」・・・桂=月=カツラorキンモクセイ?

前項に続き、カツラについて検証します。カツラは日本、特に東(北)日本を代表する落葉樹です。大木になるにもかかわらず繊細な樹形、木材としての魅力、歴史的なかかわり、などによるものでしょうか?

樹形の秘密については既に述べましたので、続いて木材カツラの特性・用途等について説明しておきます。カツラ材の魅力は、香りが良い、耐久性がある、木肌が美しい、など。従って過去には建築材としても多用されました。しかし、殆どが天然材で、供給量が激減しています。従って、現在では工芸品、銘木製品などに使用される程度。特に、高級な将棋盤・碁盤用材として有名です。

また、カツラ材が多く使われている建築物としては、長野県の善光寺が特に有名です。そのような関係からか、善光寺はカツラと言う樹木を特に大切にしています。従って、境内には無数のカツラの木が植えられています。また、そればかりではなく、善光寺の長い長い参道に街路樹として植えられているのもカツラです。ご存知でしたか。もし訪問の機会があれば直接確かめてみてください。

その一方で、名称に関して誤解されていることも・・・ 日本には桂と言う固有名詞が多数使われています。特に有名なのが、京都の桂離宮、高知県の桂浜など。これらの原点となっているのが月との関連性です。ご多分にもれず、桂離宮、桂浜とも、月のイメージから桂の文字が当てられています。その理由は、中国では月の中に理想・幻想の世界がある。桂はそこに存在する木とされていたからです。月へ戻ったかぐや姫とその優雅な宮殿生活。その側には桂の木。そんなイメージでしょうか。

ところが、ここに大きな問題があります。中国で桂と言えば、日本のカツラではなく、キンモクセイかその仲間の樹木であるからです。でも、桂離宮や桂浜の名前をつけたのは日本人。その人達は、中国人と同じようにキンモクセイをイメージして命名したのでしょうか。それとも、意味の相違に気づかず、あるいは日本風に解釈しなおし、カツラをイメージして命名したのでしょうか。どうでも良いことかもしれませんが、筆者には気になって仕方がありません。また、いろいろ調べましたが、どちらのイメージであるのか、少なくとも現段階では、定かな記載を見つけることは出来ていません。

いずれにしても、外見の美しさだけではなく、カツラには日本人の心を動かす何かがあります。最近は、シンボルツリーなどに使われる頻度が少し減っているようにも感じますが、庭に1本植え、ロマンを語りかけて見てはいかがでしょうか・・・

そこで本日のひと口アドバイス。

「月に帰ったかぐや姫。側に植えられているのはカツラ、それともキンモクセイ?」

(りょう)

 

 

 

 

 

カツラの雌花

 

 

 

 

 

 

カツラの雄花

 

 

 

 

 

 

 

 

カツラの銘木

 

 

 

 

 

 

 

カツラの将棋盤