りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,783

 

「+αの植栽大研究 編」・・・カポック、ホンコン・カポック、シェフレラ???

シンボルツリーとすることは少ないのですが、引き続き身近な輸入樹木を紹介します。この項で取り上げるのはシェフレラ。あまり聞いたことがない。では、カポックと言えばどうでしょう。それなら、我が家の庭の片隅にも。でも、このカポックと言う名称にはいささか問題があります。

わたしたちが一般にカポックと呼んでいる樹木の分類は、ウコギ科、フカノキ属、ヤドリフカノキ(種)となります。学名は「Schefflera(フカノキ属orシェフレラ属) arboricola」で、常緑の小高木です。原産地は台湾〜中国南部。では、なぜカポックと呼ぶことが多いのでしょうか。答えは、ホンコン・カポックと言う品種が広く普及しているため。

ただし、このカポックと言う呼び方には大きな問題があります。パンヤ科の植物の中にカポックと呼ばれるものが複数あるからです。しかも、パンヤもカポックも繊維と言う意味で、こちらの仲間の方がカポックと呼ぶにふさわしい樹木であるからです。

なぜ、シェフレラ属の一部の樹木をホンコン・カポックと呼ぶようになったかは不明ですが、この項では混乱を避けるため、シェフレラと言う名称を使います。シェフレラの和名はフカノキ。そして、ホンコン・カポックの和名はヤドリフカノキですが、殆どなじみがなく、これまた適切な呼称とは言いにくいからです。いずれにしても、この「+αの植栽***」でも何度も取り上げましたが、植物の名前はなぜこのように相応しくないものが多いのでしょうか?

シェフレラの特色は、輪状に葉が着き艶やかで美しい、若い枝は緑色、丈夫で日向〜日陰まで対応できる、挿し木・取り木などにより繁殖が容易・・・などが上げられます。要するに、美しく育てやすい樹木と言うこと。従って、観葉植物としても広く普及しています。鉢物だけではなく、地植えの樹木としても一般住宅の庭先などに多く見られ、日本人にとりすっかりお馴染みの樹木ともなりました。

しかし、庭木としての使われ方を見ると、鉢物を購入したが大きくなり庭に植えた。それが成長し我が家になくてはならない樹木となった。そんなイメージの植えられ方が大半です。つまり、ガーデンプランに正式に組み込まれることは意外に少ないということ。でも、シェフレラは前述のとおり、観賞価値の高い樹木です。そして、シンボルツリーにも使えるサイズにも成長します。従って、暑く風通しが悪い、反日蔭、と言った条件が悪い場所には、ぜひグリーンプランに加えてほしいものです。悪条件に対応できる、数少ない樹木であること。くれぐれもお忘れなく。

そこで本日のひと口アドバイス。

「樹形が美しく悪条件にも強いシェフレラ! シンボルツリーにいかが?」

(りょう)

 

 

 

 

 

 

庭の片隅のシェフレラ

 

 

 

 

 

 

 

シェフレラの実と葉

 

 

 

 

 

 

斑入りのシェフレラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンヤ科のカポック