「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,785
「+αの植栽大研究 編」・・・「カシ」身近なのに謎だらけ?
この項からは、シンボルツリーと言う視点を離れ、ごく身近な樹木を取り上げます。勿論「+αの植栽***」に相応しく、樹木の紹介だけではなく、謎・疑問点等にもスポットをあてながら。まずは、カシ類から・・・
カシ属と書かずカシ類と表記したのには訳があります。「属」とは、目、科、に続く生物分類のごく狭いグループを表す表記です。でも「カシ属」と言うものは存在しないからです。理由は、カシと通称している樹木は多数ありますが、植物分類として1つのグループにまとめられない要因を持っているため。つまりカシと言う呼称は、学術的な分類ではなく、古くからの習慣として用いている名前だと言うことです。
ただし、その呼び名もある程度論理的な定義が可能です。A:ブナ科の常緑高木の一群の総称 B:コナラ属、アカガシ亜属に属する常緑高木に多くのカシが含まれる・・・と言った表記が成り立つからです。
A:に関しては、殆どのカシと呼ばれている樹木が含まれます。ただし、アオガシ、イヌガシはクスノキ科の樹木。最も、ネズミモチ、カナメモチ、等をモチノキの仲間のように表記(まったく別の樹木)するのと同様、種名の方に疑問があると考えるべきかも知れません(ただ「ブナ科の常緑高木の一群」と言う表記自体があまりにもアバウト)。B:に関しては、なじみの深いウバメガシが含まれないことが難点。他にも、シリブリカガシ(シイ属)、それに前記のアオガシ、イヌガシ、などかなり多くの例外があります。
ただ、そんなことばかり並べていても仕方がないので、コナラ属の常緑高木でカシと呼ばれている樹木共通の特性を提示しておきます。常緑高木、葉は艶があり鋸歯であることが多い、晩春〜初夏に花が咲く、いずれも風花で雄花・雌花がある、一部の熱帯エリアを除くアジアのほぼ全域〜南ヨーロッパ〜アメリカ大陸と分布エリアが非常に広い、代表グループのアカガシ亜属の分布エリアは日本〜台湾〜中国南部〜ヒマラヤ周辺・・・など。
続いて、日本でカシと呼ばれる樹木を列記しておきます。コナラ属=ウバメガシ。コナラ属、アカガシ亜属=アカガシ、イチイガシ、アラカシ、ハナガガシ、オキナワウラジロガシ、シラカシ、ツクバネガシ、ウラジロガシ。クリ科、マテバシイ属=シブリカガシ。クスノキ科=アオガシ、イヌガシ。ざっとこんなところです。
何だか頭が痛くなってきました。植物学者気取りはおしまいにして、次項からは庭木としても身近な、ウバメガシ、アカガシ、アラカシ、シラカシについて、スポットをあてることにします。
そこで本日のひと口アドバイス。
「カシ属と言う分類は無い。だからカシとは何か、答えは?だらけ・・・」
(りょう)
ウバメガシ
アカガシ
アラカシ
シラカシ