りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,792

 

「+αの植栽大研究 編」・・・ギルガメッシュ叙事詩にも登場!

バラについて検証中です。この項ではいかに古くから人類はバラに魅せられ、そしてどのように付き合ってきたかについて述べます。

文献的に、人間とバラの付き合いを追ってみると、どの程度さかのぼれるのでしょうか。答えはギルガメッシュ叙事詩(BC2600 年頃)まで。ギルガメッシュ叙事詩とは、古代バビロニア、つまり中学校?で学んだ、人類最古の4大文明にまでさかのぼれるということで、文献が残されている当初からバラが取り上げられていたということ。ただし、花についてではなく刺についての記述であったとのこと。

古代ギリシャ・ローマでもバラは重要な存在でした。女神アプロディナ、ウェヌス(ヴィーナス)と深い関係を持っていたからです。ただしここでも花ではなく、香りの元(香油)としての役割の方が大きかったのではないでしょうか。ボッティチェリ画の「ヴィーナス誕生」(1485年、写真参照)も、バラの花びらを吹きかける図柄となっています。筆者の私見ですが、この絵のバラの役割も、花びらの美しさよりも、そこから漂う香りの役割の方が大きかったのでだと思います。理由は、恐らくこの頃のバラは原種(前項の写真参照)に近く、殆どが5弁の花で、美しくはあるが際立った存在とまでは言えないからです。

この状況は、中世のヨーロッパでも同様。魅惑の香りが人を惑わせてはいけないということで、修道院限定で薬草として栽培することだけが許可されたと伝えられています。また、イスラム世界でもバラの香油に関する記述が、「千夜一夜物語」などに見られます。

さらに時代が進み、マリー・アントワネットの肖像画(1783年、ヴィジェ・ルブラン画)を見ると、原種に近いものではなく、今で言うオールドローズ(古い時代の園芸種)に近いバラを手にしています。従って、少なくとも1700年代後半には、既にバラの品種改良がかなり進んでいたことが分かります。ただし、香り中心ではなく、花の魅力を強く意識したバラが登場したのはいつ頃からか、現段階では筆者は把握できていません。

その後、ヨーロッパではバラに対する決定的な影響をもたらす女性が登場します。フランス皇帝ナポレオンの妻ジョゼフィーヌです。彼女はバラの収集とともに、より美しい花を求め品種改良を積極的に進めるよう指示したからです。新品種の開発技術面でも、1800年代前半に飛躍的進歩を遂げます。アンドレ・デュポンと言う人物が人工授粉による育種方を確立したからです。そして、このような時代を背景に1800年代半ばには、3,000種に及ぶ園芸品種が登場したといわれています。

そこで本日のひと口アドバイス。

「キルがメッシュ叙事詩〜ジョゼフィーヌまで、バラは女性のハートを虜に!」

(りょう)

 

 

 

 

 

 

 

ギルガメッシュ叙事詩

 

 

 

 

 

ヴィーナスの絵

 

 

 

 

 

 

 

 

マリー・アントワネットの肖像画

 

 

 

 

 

 

 

ジョゼフィーヌ