りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,807

 

「+αの植栽大研究 編」・・・ツバキとヤブツバキの関係とは?

花の美しい樹木を紹介中です。この項からはツバキとサザンカについて検証します。そして、両者とも日本人との付き合いが古く、なじみ深い植物でもあります。でもツバキの正体とは? ツバキとサザンカとでは何が異なるのでしょう?

ツバキ(椿)を学術的に分類すると、ツバキ属の常緑樹と言うところまでしか追いかけることができません。しかし、ツバキ属にはサザンカ等も含まれ、その総称と言うとらえ方は適切ではありません。さらに理屈っぽく追いかけていくと、2つのとらえ方ができるでしょう。1つ目は基本種、あるいは代表種であるヤブツバキ=ツバキとする考え方。この場合ツバキ(ヤブツバキ)の学名は「Camellia(ツバキ属) japonica(ヤブツバキ)」と言うことになります。

しかし、私たちが通常ツバキと呼んでいる植物には近樹種のユキツバキ、琉球列島・台湾産のタイワンヤマツバキ、ホウザンツバキ、屋久島産のリンゴツバキ、それに多種多様な園芸種が含まれます。しかも、上記の自生ツバキに関しては、別種、亜種、変種など学術的にも様々な見解があります。さらに、有名なカンツバキ(寒椿)に関してはツバキと言う呼称が付いていてもサザンカに近い樹木です。では、最も適切なツバキの定義とは? 残念ながら筆者にはわかりません。上記をヒントに貴方自身で考えてみてください。

では、ツバキとはいったいどのような植物なのでしょうか。基本種をヤブツバキとして、もう少し詳しくチェックして見ましょう。まず、「japonica」と言う学名でも分かる通り日本原産の樹木です。照葉樹林の代表的樹木で、分布エリアは本州、四国、九州、琉球列島、台湾、朝鮮半島の一部。なお、ユキツバキは本州の寒冷エリアに自生しています。また、ツバキは本来は大型の常緑樹で、樹高は20mにも達します。しかし、成長が遅く大木はほぼ完全に伐採され尽し、私たちは中・低木しか目にすることができません。真に残念なことです。

その他の特色としては、枝がよく分岐する、樹皮は灰色で滑らか、先端の尖った冬芽を着ける、葉は互生し楕円形で艶がある、花は冬の後半〜春にかけて咲き赤色で5弁(ヤブツバキ)、ただし園芸種等を含めると多種多様・・・など。

また、ツバキは様々な用途にも活用されてきました。木材としては緻密で狂いが少なく、工芸品、印材など。灰は日本酒の醸造用、染色用として。実は椿油の原料として。葉は止血剤として。等々。

そこで本日のひと口アドバイス。

「本当は長寿で大木になるツバキ! 乱伐で中低木しか存在しないと言う事実!」

(りょう)

 

 

 

 

 

ツバキの大木(奈良県・龍神村)

 

 

 

 

 

ヤブツバキの花

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバキの実

 

 

 

 

 

 

ツバキの落花