りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,874

 

「現代日本 外構・ガーデン事情 編」・・・バロック〜アールヌーボー、そして!

前項では、外構の基本パターンは12種あると提示しました。勿論、例外もありますが、90%以上はその中に含まれるか、その発展形と考えてもよいでしょう。また、新和風の登場で線引きは曖昧になっているとはいえ、別の視点から和・洋に大別することもできます。そこで、前出の12パターンのプランポイントを述べる前に、和・洋のデザインお流れについて言及しておきます。

まずは、欧米のデザインの流れについて。中世〜現代に至る流れを、一言で述べるなら、「装飾美〜機能美への移行」ととらえることができます。ただし、近年に至り機能美へのアレルギーも加わり、少し装飾美の復刻傾向が見られます。

もう少し具体的に中世以降のデザイン(様式)の変化を追ってみましょう。16〜18世紀にかけてはバロック様式が主力となりました。異論もありますが古典主義とも呼ばれています。バロック様式に続いては、18世紀後半からロココ様式が登場します。これもまた、古典と言う言葉を引き継ぎ新古典様式とも呼ばれています。ただし、専門的な特徴の違いはともかく、重厚かつ過剰とも思える装飾が基本となっていることに変わりはありません。

従って、乱暴ではありますが、バロック・ロココをひとまとめにして、古い時代の装飾中心デザインと考えてもよいでしょう。ただし、19世紀の後半に入ると、デザインに決定的な変化が起きます。また、デザインの牽引国としてヨーロッパ諸国にアメリカが加わります。

過剰装飾、極端なコスト高、などに対して批判が起こり、新たなデザイン(芸術活動)提唱が各所で始まるからです。それが有名なアールヌーボー(フランス語:新しい芸術)です。最も著名な作品群の一つがティファニーであると言えば、イメージしていただけるでしょうか。デザイン的には、過剰装飾を避け、曲線・自然のモチーフを取り入れたのが特徴の一つです。従って、昆虫や木の葉などが良くあしらわれています。

あまり知られていませんが、アールヌーボーはデザインと言う世界の大衆化運動でもあったことも指摘しておきます。ただし、バロック・ロココ以前は王族・貴族だけの世界。アールヌーボーは王族・貴族+一部の富裕層の世界で、まだ大衆は殆ど登場しません。

アールヌーボーに続いて登場するのがアールデコです。アールデコとは新しい装飾美術と言う意味で、この言葉だけではその実態をとらえることは困難です。また、おおよそ1910〜1930年の20年間と言う短い期間の芸術運動・デザイン提唱でもありました。しかし、現代日本の住宅・ガーデンにも決定的な影響を及ぼし、近年むしろその表かは増しています。

次項では、アールデコの本質とは何か、なぜ影響力が増しているかについて言及します。

そこで本日のひと口アドバイス。

「洋風デザインの変化と現代住宅・外構の関係をもっと知ろう!」

(りょう)

 

 

 

 

 

バロック様式の建築物

 

 

 

 

 

アールヌーボーを代表する内装

 

 

 

 

 

 

 

アールデコ調の建物(東京庭園美術館)