りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,915

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・日本庭園・外構の密接な関係?

日本庭園は世界に誇れる文化。勿論、世界的評価も高い。このたび和食が無形世界文化遺産に指定されました。有形の遺産であれば日本庭園には間違いなくそれ以上の価値があるでしょう。しかし、当の日本人でさえ日本庭園の歴史、基本構成、各時代別の代表作品、等を知る人は意外に少ないのが現状です。

また、庭園と建築は切っても切れない関係にあります。庭園メインの公園等は例外ですが、歴史的に見ればその時代を代表する建築物と庭園は殆どがセットで造られてきたからです。加えて、日本庭園の場合はサラセン式と呼ばれる建物・塀で囲まれた形式が基本です。つまり、庭園部分だけをとっても、門廻り、庭園周囲には絶えず建築物があるということ。だからこそ、建築と庭園の関係は、平面幾何学式庭園(フランス式)、風景式庭園(イギリス式)など以上に密接な関係ということになります。

最近よく使われる外構という言葉は古いものではありません。従って、歴史的な日本の建築物、庭園等の資料を見ても外構という言葉は登場しません。しかし、寺院の山門、古い住宅等の長屋門、各種土塀、各種竹垣、大和塀、などの門・塀関連の構造物と日本庭園は切っても切れぬ縁で結ばれています。つまり、古来から日本庭園と日本外構(そのような言葉は無かったが)はセットで考えるべきものであったと見るべきでしょう。

しかし、日本庭園には膨大な資料が残されていますが、日本外構の資料は殆ど存在しません。従って、このシリーズで紹介する作品についても、庭園・外構の内容をセットで紹介できるものは極めて稀です。だがそれを承知の上、可能な限り古来の日本外構(一部建築にも)にもスポットをあて、総合分析を加えて行きたいと思います。

具体的には、歴史的流れを追いながら、それに該当する時代・文化・思想的背景、同代表的庭園の紹介、その庭園の特性・技法、その庭園を囲む外構の特性・技法、等について考証していきたいと考えています。

そんなことは、現代の生活・ガーデンライフとは無関係。こんな意見も多いでしょうが、筆者はこれまでも指摘してきたとおり、ガーデンライフ≒文化。ガーデンに対するレベル≒文化度。このように考えています。だからこそ、現在住んでいる住宅のガーデンと、日本庭園の歩んだ道とが技法的に直接つながっていないとしても、背景には密接な関係がある。そういう視点を持っています。

何もむつかしく考える必要はありません。たまにはデッキでくつろいだり、庭いじりをする。そんな時、ふと日本庭園について考える。そこに目の前の空間と精神的空間がつながる。つまり、ガーデンライフとは心の余裕と切っても切り離せないものであるということ。だからこそ、文化度の高いところにしか定着しない。暴論でしょうか・・・

そこで本日の一口アドバイス。

「日本庭園には日本外構がセットされていた。だから同時に検証してみよう・・・」

(りょう)

 

 

 

 

 

竜安寺石庭:日本庭園はサラセン式系であることが多い

 

 

 

 

 

 

法隆寺の土塀(右):塀と日本庭園の関係とは?

 

 

 

 

 

 

 

山門(慈願寺):日本庭園と門との関係とは?