りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,935

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・作庭記詳述:「枯山水事」「立石様①」!

今回は「作庭記」の5:「枯山水事」と6:「立石様①」について検証します。

「作庭記5:枯山水事」・・・枯山水の意味とその例。

池の水もないところに石を立てる(庭の演出・構成)ことがある。これを枯山水と呼ぶその枯山水と言う様式は、山の片側に岸や野筋(平安期の造園用語=低い盛り土で起伏をつける)を作り、そこに石組などで庭の構成を行うもの。また、さらに山里のように面白い演出を行おうと思えば、高めの山を建物近くにに築き、その山の頂から裾野をせり出させ、同部分に石組みなどで庭としての構成を整えること。従って、建物を建てるために、山の片側の険しい部分を崩し、土を取り除いた時に出てきた石を、底深く平らに取り除くと、その上や石がある部分の束柱も切りかくなどして、建物と庭とのつながりを持たせるべきである。

また、何か基点となるものを手掛かりとして、小山の先、樹木の元、束柱の傍などに石組みなどを設け、庭としての部分演出を行うこともある。さらに、庭面には石組等の演出、前栽(低木、苔、等)を植えることや、階下に座って観賞する場所を設けるなどの工夫をすべきだとも言われている。

このような場合、石は立てることは少なく、むしろ臥せるように設置することが多い。ただし、石ぶせと言う表現を用いることはない。これもまた石を立てると表現する。つまり、石を立てる(石組)様式は色々あるということだ。

「作庭記6:石立様①」・・・石の置き方(大海の様式)

石の置き方(石組みの様式)には、大海の様式、山河の様式、沼地の様式、蘆手(芦原)の様式などがある。

大海の様式は、まず荒磯の有様を表現すること荒磯は、岸辺に関しては不恰好に尖った磯のイメージに近い石を設置。さらに、渚の部分には水面を床とすると、そこから立ち出るように石を多数、沖へ向かって置き、それにプラスして、離れたところにも少し石が出ているようにするのが良い。

これは全て、浪がきびしく降りかかる場所で、自然の景観の中にある石(岩)が洗い出された姿を再現したものである。加えて、所々に洲崎、白浜、などの演出、松の木による演出を加えると良い。

以上が、「作庭記」の枯山水と、立石(石による演出)様式の一部(大海の表現)です。これを見ると、室町時代ごろから急増した枯山水の技法が平安時代に既に存在したことが分かります。また、一部の資料では飛鳥時代からかなり高度な石組み(蘇我氏関連の庭園等)が存在したことしていますが、少なくとも平安期にはかなり石組みの技法が進化していたことが分かります。

つまり、平安初期~中期にかけて、上級貴族の台頭~寝殿造邸宅(政治に場としても使用)とセットで寝殿造庭園が生まれ、それはかなり進化した完全な日本庭園であったと言うことです。

そこで本日の一口アドバイス。

「平安時代には既に枯山水が存在! 石組み技法も高度に進化!」

(りょう)

 

 

 

 

建物と連動させた枯山水

 

 

 

 

 

 

 

天然の荒磯

 

 

 

 

 

 

 

大海の立石(紫式部公園)