りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,938

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・作庭記詳述:「島姿①②」に関する記述!

「作庭記」は、概要、池、池・寝殿・橋、石と池、立石(①~④)の次に、「島姿」の項目が2つ設けられています。この項はその「島姿」について検証します。

「作庭記10:島姿の様々に関する事①」・・・島の形・作り方①.

山島野島杜島磯島雲形霞形洲浜形片流干潟松皮、等の島の種類がある。

一:山島は、池の中に島を作り、交互に高さ・低さの差を設け、常磐木(ときわぼく、常緑樹のこと。この場合のメインは松と考えてよいであろう)たくさん植えるとよい。島の前には白浜を設けて、山の傍に汀用の石も設置する事。

一:野島は、引き違え、引き違えに野筋(アンジレーション)を作り、背の所々に石を設置。それを基点として秋草などを植えて、さらに隙間ごとに苔などを敷くとさらによくなる。また、野島の場合も白浜を設ける方が良い。

一:杜島は、普通の平地にまばらに樹木を植え、その樹木が茂った下を透かして、木の根を出し這わせる。さらに、あまり目立たない程度の石を少し置き、芝も敷き、砂も散らしておくと風情が出る。

一:磯島は、直立した石を所々に設置して、その石に付随して、浪打の石も荒磯を連想させるように連続して設置する。さらに、直立した石の間には、あまり背の高くない松で年数を経た姿の良いもの(盆栽のような松と考えてよいであろう)等、緑深い樹木を植えるべきである。

「作庭記11:島姿の様々に関する事②」・・・島の形、作り方②。

一:雲形は、雲が風に吹かれて長く伸びたような姿で、石も、樹木も無い。ただ一面の白洲であるべきである。

一:霞形は、池の面を見渡すと、淡いみどりの水面に霞がかかったように、二重三重に重ねて交錯させ、繊細な感覚で各部分が途切れているように作る必要がある。また、霞形の場合も石も樹木も無い。白砂だけの方が良い。

一:洲浜形は、一般的な砂州のような形状にすべきだ。ただし、あまりきちんとした紺色の紋のように鮮明に仕上げるのはよくない。砂州と言っても、淡く引き伸ばしたように、あるいはゆるく湾曲させたように、あるいは背中合わせにずらして引き伸ばしたように、あるいは砂州のようであってそうではないように(ようするに全体が淡く溶け込むようにと言うことか?)作るべきだ。さらに、小さな松を少し植えるとよりよくなる。

一:片流様は、あえて特別な風情が無いように作る。単に、細長く水に少し浮かんだ白砂と言った具合。

一:干潟様は、塩の干上がった跡のように、一部水に浸ったところがあるよう、とぎれとぎれに作るのが良い。同時に、ごく自然に少し石が見えるとさらによくなる。当然、樹木があってはならない。

一:松皮様は、松の木肌のように、部分部分が食い違ったような形に仕上げる。各部分が途切れているように見えるように仕上げるのがポイント。樹木に関しては植えても植えなくてもよい。あくまで作者の感性による。

以上が「島姿」に関する記述です。これを見ると、日本三景の一つ松島のように、海に突き出し点在している島(山形と考えてよいであろう)~砂州~干潟のようなものまで、あらゆる自然の島の姿を取り入れています。自然への思い、観察力、それを庭にどう活かすか。それが作庭の原点と言うことでしょうか・・・

そこで本日の一口アドバイス。

「平安庭園のメインは池。池には多種多様な島。その景観を活かす作庭とは!」

(りょう)

 

 

 

松島:日本三景の一つ(宮城県)

 

 

 

 

 

 

砂州:潮の流れか作り出した絶景

 

 

 

 

 

 

干潟