りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,995

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・夢窓疎石の庭「天龍寺」!

「夢窓疎石」の庭について検証中です。この項では、「西芳寺」に続き「天龍寺」を取り上げます。

「天龍寺」

「天龍寺」は京都市右京区嵯峨天龍寺町にある、臨済宗天龍寺派の大本山で、京都五山の第一位とされてきた著名な寺院です。正式な寺号は「天龍資聖禅寺(てんりゅうしせいぜんじ)。本尊は釈迦如来、開基(創立者)は足利尊氏、開山(最初の住職)は「夢窓疎石」となっています。

寺歴も古く、平安時代初期に嵯峨天皇の皇后・橘嘉智子が開いた壇林寺が前身。その後400年近い間荒廃していたが、後嵯峨天皇が離宮・亀山殿創り、それが直接的な起源となりました(「天龍寺」の山号・霊亀山もここから付けられた)。その後、足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うために、亀山殿を「夢窓疎石」を招き寺院としたのが現在の「天龍寺」。壮大な規模と格式を誇る寺院でもあります。もっとも、伽藍のほとんどが消失し、現在の殆どの建造物は明治以降の物。ただし、方丈西側「夢窓疎石」作の庭園は、当初の面影がかなり残されているとのこと。

「天龍寺方丈庭園」は前庭と裏庭に分かれ、「夢窓疎石」の面影を伝えているのは前庭(曹源池庭園)で、曹源池を中心部に配置した池泉回遊式庭園です。大堰川を隔てた嵐山、西側の亀山等を借景として活かし、素晴らしい景観とスケールの演出等も含め、日本庭園の最高峰の作品として、高い評価を得、国の特別名勝・史跡にも指定されています。

曹源池正面には、龍門瀑(鯉が登竜門となる滝を登り、目的を成就するところ=悟りに至る過程)と呼ばれる三段式の滝組があり、極めて高い庭園技法が見られるばかりか、臨済禅の思想を反映した、高度な精神世界が描かれています。つまり、「夢窓疎石」の庭園は、デザイン・構成上の素晴らしさの背景に、形而下と形而上の世界を結ぶ哲学・芸術性を秘めていると言う事です。

 

 

 

 

 

 

 

天龍寺の航空写真

 

 

 

 

大方丈と曹源池

 

 

 

 

 

 

白砂と曹源池(正面に龍門瀑)

 

 

 

 

 

 

曹源池と石組

 

 

 

 

 

 

龍門瀑(三段組み構成で悟りの段階を示す)

 

 

そこで本日の一口アドバイス。

「夢窓疎石作庭当初の面影を伝える珠玉の庭=曹源池庭園!」

(りょう)