りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,996

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・夢窓疎石の庭「永保寺」!

「夢窓疎石」の庭園を紹介中。この項では、「西芳寺」「天龍寺」に続き「永保寺」を取り上げます。

「永保寺」

「永保寺」は岐阜県多治見市にある臨済宗南禅寺派の寺院です。中国・廬山(江西省)の景観を取り入れたと言われており、その様相を表す言葉を山号として虎渓山とも呼ばれています。1313年頃そのベースが出来たと伝えられ、現在では「夢窓疎石」開創・元翁本元開山とするのが一般的。南禅寺にいた両師が土岐頼道に招かれ、一定期間そこに庵をかまえたことから、このような表現となったようです。

「永保寺」は観音堂(国宝、入母屋造・檜皮葺の仏殿・水月場の別称)が最も著名な建造物となっていますが、これは当時の禅宗建築の典型的なものであると同時に、夢窓・元翁両師が道に迷った時に観音菩薩が現れ救い、そこに堂を建てたのが始まりと言う伝説があるため。また開山堂(国宝)も同系の建造物で、ある意味、「西芳寺」「天龍寺」以上に禅の心を伝える貴重な建造物と言えるかもしれません。

「永保寺庭園」も同様で、池泉回遊式庭園ですが、自然の景観もプラスに作用したのでしょう、前期のように中国の水墨画のような景観を取り込み、臨済禅に最もふさわしい構成となっています。勿論、「夢窓疎石」の代表作の1つですが、池につながる岸壁、無際橋とその周辺の構成、梵鐘をおさめた建物に至る荒々しい石組・梵音厳などは、まさに禅思想の広がりを再現した最高峰の庭園と言えるでしょう。また、虎渓の名前でもわかる通り、中国の庭園様式が最も多く取り入れられた「夢窓疎石」の作品と言うことも出来ます。

そこで本日の一口アドバイス。

「虎渓の名でも知られる名庭・永保寺=臨済禅の世界を鮮明に表した珠玉!」

(りょう)

 

 

 

 

 

 

永保寺の伽藍配置

 

 

 

 

 

 

永保寺庭園全景

 

 

 

 

 

無際橋と周辺の景観

 

 

 

 

 

 

梵音厳

 

 

 

 

 

観音堂(国宝)

 

 

 

 

 

開山堂