りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO1,997

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・夢窓疎石の庭「瑞泉寺」!

「夢窓疎石」の庭を紹介中。この項では、鎌倉の「瑞泉寺」を取り上げます。

「瑞泉寺」

「瑞泉寺」は神奈川県鎌倉市にある臨済宗円覚寺派の寺院で、山号は錦屏山。本尊は釈迦如来像で、1327年に「夢窓疎石」を迎え創立されました。従って、開山(最初に住職)も「夢窓疎石」となっています。ただし、当初は瑞泉院と称され、現在の「瑞泉寺」となったのは、中興の祖となった、最初の鎌倉公方・足利基氏(足利尊氏の4男)の頃からと伝えられています。

「瑞泉寺」の伽藍構成(略図参照)は、総門・山門・仙殿・書院・仏殿・客殿・地蔵堂・開山堂、等から成り、「夢窓疎石」作の庭園は本堂裏の書院とセットになっています。このような配置の庭園は同園以前には無かったようで、書院庭園の起源とされています。庭園様式としては禅宗様と呼ばれていますが、臨済宗の寺院、「夢窓疎石」作庭となれば当然の事。

「瑞泉寺庭園」は大規模な庭ではありませんが、自然の景観を活かしていることが最大の特色と言えます。と言うよりも、自然の地形に部分的に手を入れ庭園としたと表現した方が適切かもしれません。書院側を正面にした池泉式庭園で、池と背景の岸壁が主な構成物。そして、池には2つの橋が架けられ、岸壁には洞窟、天女堂とも称される水月観音堂などが配されています。おそらく、池を渡り岸壁を上る過程で悟りへと近づく行程が表されているのでしょう。勿論、全体としては壮大な禅の精神世界が盛り込まれていると解釈すべきです。他の作品、この「瑞巌寺庭園」を見ても分かる通り、「夢窓疎石」の庭は全て禅をベースとした思想空間が広がっています。しかし、表現方法は実に柔軟で、自然条件を巧みに取り入れ、決して形状ありきからスタートしたものではありません。

 

 

 

 

 

 

瑞泉寺の伽藍

 

 

 

 

 

 

庭園と書院

 

 

 

 

 

 

池と洞窟

 

 

 

 

 

 

2つの橋

 

 

 

 

 

 

天女洞(水月観音堂)

 

そこで本日の一口アドバイス。

「自然の地形を最大限に活かした禅の思想空間=瑞巌寺庭園!」

(りょう)