りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,023

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・作庭書「嵯峨流古法秘伝書」②!

この項では、「嵯峨流古法秘伝書」の第4項目、第5項目、第6項目、第7項目の4項目を取り上げます。

「嵯峨流古法秘伝書」②・・・「3つの禁仕事と5つの災い事」「三尊石を立てる意味」「庭に置く石の種類」「2つの島に置く石」

4:「3つの禁仕事と5つの災い事」

庭に石組を設置する場合、3つの禁止(忌)項目と、5つの災い(禍)を呼ぶため嫌われていることがある。3つの禁仕事=①:家のつながりを切るように、例えば、長い石を置いたりしてはいけない(おそらく、軒下などに入り込むような形で石を設置する事。「作庭記」にもよく似た記述がある) 。ただし、山の中の一軒家のような場合はかまわない(この部分も「作庭記」と同じ)  ②:池の中心部(メイン)の島(主人島)の前には、角がある石を据えてはならない ③:端の方にある島(客人島)の前には、面が欠けている石を置いてはならない。

5つの災い(禍)=①:石の頭が大きく、下部が小さい逆三角形のような不安定な石の設置 ②:二神を立てない(おそらく、朱雀、玄武、青竜、白虎の四神を表す石を設置する場合、喧嘩するため、一神のみにせよと言う事) ③:礼拝石(庭の中央に設置する平らな石。礼拝や全体を眺めるときに使う)が無いのは駄目 ④:滝口があるのに水が無いのは駄目(枯滝はどうなるのか疑問) ⑤:守護石(十干十二支をベースに定められた誕生石。ここでは、単に主を守護する石と言う意味か?)が無いのは駄目。これらは、不吉につながることは言うまでもない。

5:三尊石を立てる意味

庭の正面奥には三尊石(仏教にちなんだ尊い石。中尊石+両脇の脇侍石。不動明王・金加羅童子・制多迦童子、阿弥陀如来・観音菩薩・勢至菩薩、薬師如来・文殊菩薩・普賢菩薩、等の組み合わせが有名)を設置する事。そして三尊石は主人を守る守護石とも言う。

三尊石の後ろには、山を築き、木を植え、三尊石の外側には蓮花石(おそらく、極楽等を連想させるための石)も設置するべきである。蓮花石については、特別な形式、立てる数も決まっていない。従って、作庭者の考えによって演出すればよい。

6:庭に置く石の種類

庭の左側と右側には以下のような石を設置する。向かって左側(高い山の左)には、奥から不動石、童子石、虎渓石、豹陰石を置く。(山の頂付近には)頂石、霧隠石、嶺脚石を置く。また、山路には、行路石、遊山石、道居石、を置くが、これは向かって右側となる。吐景石、これは山頂の左に置く石の事だ。山水(庭)石の多い少ないは、真行草(基本スタイル)により変わり、これが良いと言う決まりはない。また、山間や二つの島(客人島と主人島)に置く、上座石(築山の上に置く平たく厚い石)は通常木の下に設置する。ただこれは、他の石と異なり、秘石(別格と言う事か?)扱いとなる。

7:2つの島に置く石

庭(山水)の左と右には、必ず2つの島がある。(向かって)左側の島を客人島と言い、客拝石、対面石、履脱石、鴎宿石、を置く。(向かって)右側を主人島と言い、腰息石、安居石などと呼ばれる石を置く。それ以外にもサブ的な石を設置することもあるが、それは数に入らない。

そこで本日の一口アドバイス。

「石組に関する記述・・・作庭記と比較すると無意味?な煩雑さ!」

(りょう)

 

 

 

 

 

 

三尊石

 

 

 

 

 

庭園内の山と周辺の石組み

 

 

 

 

 

 

庭園内の島と石組・植栽