りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,024

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・作庭書「嵯峨流古法秘伝書」③!

引き続き「嵯峨流古法秘伝書」について。この項では、第8項目、第9項目、第10項目、第11項目、第13項目の6項目を取り上げます。

「嵯峨流古法秘伝書」③・・・「三尊石前後の設置物」「蓬莱山の石組と植栽」「不動石とその周辺の石組」「二神石と滝口の補足事項」「川裾の処理」「2つの祥と3つの吉」

8:三尊石前後の設置物

庭(山水)の正面には三尊石がある。そして、三尊石の右側寄りに、2~3個の礼拝石を設置する事。さらに、三尊石の背後に山を作ること。山を作れない場合は木を植える事。

9:蓬莱山の石組と植栽

庭の中央には蓬莱山(中国の東方にある仙人が住む山。秦の徐福伝説等でも有名)を設置する事。その蓬莱山は亀の形をしている。それ故、亀頭石、両手石、両足石、尼崎の石を設置する事。これは、石組プラン(堅様)において極めて重要なことだ。また、蓬莱石のある島を中島と言って、松を必ず植えること。もし、松が無ければ亀石を置くこと。

10:不動石とその周辺の石組

10:庭の滝口には必ず不動石を設置する事。この石(不動石)のことを滝副の石とも言う。そして、滝幅の石の右側には童子石を設置する事。その場合は、2個、4個、8個と言う数にするのが良い。これを称して、二童子、四童子、八童子と言う。不動石の下には、石座石を設置する。なぜなら、不動明王は大磐石でなくてはならず、それには座石が必要であるから。ただ、状況により、(不動石自体が安定していれば)必ずしも石座石を設置する必要はない。

11:二神石と滝口の補足事項

庭の両端に二神石を設置するべきである。この場合、石の形によってはサブ石を各々2~3つ置くこともある。その判断は、作庭者の裁量による。滝口には滝副石、水請石、水分石などと言う石を設置することもある。この場合も作庭者の裁量により判断すべきだ。いずれにしても、滝口は庭の最重要ポイントであることは間違いない。

注:二神石と言う言葉の判断は難しい。前項には、二神を立ててはならないと言う項目があり、矛盾するからだ。おそらく、前項の場合は二神を表す石を並べて設置すべきではないと言う事であろう。そして、この項の場合は、庭端の四神の方角(東・青竜、西・白虎、北・玄武、南・朱雀)に魔除け的な意味を込めて、四神を表す石を設置せよと言う事であろう。特に、東西端との関連性が深く、東端には青竜石、西端には白虎石を置けと言う事か? ただ、現存する室町時代・戦国時代の庭園を見ると、このような例は殆ど見られない? (筆者の解釈が間違っている場合は、ご指摘いただきたい)

12:川裾の処理

庭の川裾に置く石としては、水難石、波受石、水受石、水禦<禦(ギョ)は御とほぼ同義語)>石、木葉返し石、などがある。ただし、これも状況に応じて判断すればよい。

13:2つの祥と3つの吉

庭には、2つのめでたい事(二祥)と、3つの縁起が良い事(三吉)への表現があるべきだと言われている。二祥の1つ目は、東・南・西に位置する部分の事。2つ目は滝口の後ろにある山の頂部分の事。ここに大きな木を植えると良い。三吉とは島に関する事。1つ目と2つ目は主人島に関するもの。安据石を設置し、よく眺めて大切にすると良い。さらに、白砂を敷くと良い。3つ目は島全体(中島&主人島、他)に言えることで、松を植えると良い。

そこで本日の一口アドバイス。

「蓬莱山・滝口等にも煩雑な指摘・・・そして部分的な矛盾?も」

(りょう)

 

 

 

 

 

現代の蓬莱島(中島)

 

 

 

 

 

 

庭園内の滝

 

 

 

 

 

 

水路(遺水)の演出