りょうさんの:エクステリア&ガーデン

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,025

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・作庭書「嵯峨流古法秘伝書」④!

「嵯峨流古法秘伝書」について、引き続き検証します。この項で取り上げるのは、14項目、15項目、16項目、17項目、18項目、19項目の6項目。

「嵯峨流古法秘伝書」④・・・「池の入り口」「吹上島の砂州」「律の石組、呂の石組」「1or4と言う構成」「植栽の禁止事項」「主人島には植えない木」

14:池の入り口

庭(山水)の中の池も、滝口から水が流れ出るように作った方が良い。これは作庭者にとって重要なことだ。

15:吹上島や砂州

庭の中にある吹上(吹上とは、風が下から吹き上がるような地形の事。この場合は、浪が打ち寄せる様)島は、流れが打ち寄せる、夕方の浜をイメージして作る事。この浜辺の風景に石組は設置しない。夕景の干潟、流れの中の洲、なども同様で石は置かない。また、水辺には芦、杜若(カキツバタ)、菖蒲を植えると良い。

16:律の石組、呂の石組

律呂(日本の音楽用語。陽・陰など2つのパターンのこと)の石組みについて。律となる石組みとは以下のようなものを言う。石が欠けている場合は副石を設置したもの。崩れやすい所には添石を使い、おごそかで厳めしく(威儀)、物事が充分備わって(具足)いるように設置したもの。

呂とは、1つ1つの石組みを、無目的に2~3か所設置することなどを指す。人は義礼智信(間違った考え方に惑わされない正しい判断)の出来る人を律義者と言う。一方、五常(仁義礼智信・孔子の言葉)に欠ける人の事を呂の人と呼ぶ。仮に、石組1つ取っても、その形・役割をよく考えなければならない。そして、適切な石組を作れば、それが律となる。

注:この項は、難解な言葉が使われているが、律=良い、呂=悪い、と考えればよい。要するに、石組にも良いもの(律)と悪いもの(呂)があると言う事。

17:1or4と言う構成

4つの石、4つの花(植栽)と言う考え方について。1つの石、1つの草木と言う構成は基本的に良くない。また、4つの石とは、4つの石組と言う構成のことで、これも良くない。4つの花とは4つの草木をベースとした植栽のことで、同じく良くない。よって、その石の形が良くても、単独で設置しないこと。副石を置くべきだ。1本の木または1本の草花の場合も同じだ。組み合わせて植えるべきである。但し、広い庭の場合は、1つの石といっても、トータルでは必ず数個以上設置する事になるので問題はない。

18:植栽の禁止事項

本来セットであるべき物を分離してはいけない。例えば、深い山に生えている植物を、水辺に植えてはならない。また、枯れ木・冬の姿をした木は正面には植えない。冬木とは冬に葉を落とす木(落葉樹)の事。また、紫竹(黒竹の仲間で色の薄いタイプ)は娥星・女英(中国古代の聖王・尭の長女と次女。共に、同じく聖王・舜につかえ、姉の娥星は皇后、妹の女英は妃になった)の涙色より濃く染めてはいけない(紫竹は薄い色を選べと言う事か?)。

19:主人島には植えない木

芭蕉(バナナの仲間)は主人島には植えない。同じく、紫竹も植えない。

そこで本日の一口アドバイス。

「石組み以外にも様々な作庭ポイント! ただ、不必要?な指摘も・・・」

(りょう)

 

 

 

 

 

紫竹(クロチクの色の薄いタイプ)

 

 

 

 

 

 

 

 

中国神話の聖王・尭(史記「五帝記」にも登場)

 

 

 

 

 

 

 

 

中国神話の聖王・舜(史記「五帝記」にも登場)