りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

 りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,028

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・作庭書「山水並野形図」②!

 「山水並野形図」②・・・「敬愛石の置き方」「ちぐはぐな石」「神王石と蝦蟆石の配置」「横石と斜石と縦石」「天・地・人石の意味と役割」「山と逆石」「簾中周辺と立石・植栽」

3:敬愛石の置き方

敬愛石(臣石)は、2つ並べ、その間を接近させて、覗きたくなるような感じ、つまり、額(ひたい)と額を寄せ合っているように設置すると良い。

4:ちぐはぐな石

ちぐはぐな形の石は、ちぐはぐに設置してはいけない。2つセットで調和がとれるように設置する事。

5:蝦蟆石と神王石

蝦蟆(読=ガマ。みにくいと言った意味を含むのであろう)石と言うカエルに似た石がある。このようなものは、目立たないように設置する事。一方、神王(ここでは良い神様と言った程度の意味か?)石は戌亥(ほぼ北西)から辰巳(ほぼ南西)の方角に向かって設置する事。この蝦蟆石は樟碍(読=しょうがい。障害)神でもあることも忘れてはならない。

これは、カエルに似た石を戌亥の方角から見えにくいように設置せよと言う事でもある。蝦蟆は陰であり、神王は陽である。相反するものであり、2つの関連性が目立たないようにすべきであるからだ。蝦蟆は荒神でもあり、祝う場所にあってはならない。いつも災いをもたらす。だから、弁財天(弁財天は神王=宇賀神の代表的神でもある)を、悪い神をおさえるために、地神にしているのだ(蝦蟆石と神王石は目立つように並べてはいけないが、蝦蟆石がある場合は、どこかに神王石を置き、災いを抑えなさい、と言った程度の意味か?)。

6:神王石と蝦蟆石の配置

石は時には出っ張っているところ(出棚)に設置すること。目立つところに置けと言う事でもある。また、神王石と蝦蟆石の間に他の石を置いたり、樹木を植えたりしてはいけない。両者は神王石を辰巳(ほぼ南西)に置いて、蝦蟆石を目立たないように据えるのだ。辰巳は宇賀神の代表である弁財天の居場所であるからである。こうすることで幸福を得ることが出来る。

7:横石と斜石と縦石

万石、余石、秀石は1つの石である。むやみに良い石(吉石)を揃えてはいけない。良い石でなくても、たいていの石は庭に設置しても良い。良い石は、1つの庭に1箇所傾斜地等に設置すればそれで良い。

また、連石と言うものがある。これはつなげて大きいものから連続して設置していく。また、風石と言うものもある。これは風雨を受けたとき、なびくような感覚で設置する。

また、山野で石を取ってくる時は、横、斜、縦の3ポイント注意して持ち帰るべきだ。横石とは横になっているように、上部の切り目(石の節理・模様)が平たく入っている石のことを言う。形が縦長で、切り目が横である場合は、斜石となる。また、横に切り目が入っていても、縦に置き換えた方が良い石、これを縦石と言う。そして、石を取ってくる時は、横・斜・縦の3種の石を揃えるように選ぶべきだ。

8:天・地・人石の意味と役割

8:以上述べたように、横・斜・縦の3種を考慮し石は設置すべきだ。この3つは、天・地・人と同じ意味がある(縦石=天、横石=地、斜石=人)。これは、石組の基本法式でもある。そして、庭の最も重要な部分(主)に3種の石を並べて設置する。天・地・人となる石を設置し、樹木を植えれば玉の字になる。玉と言う字は千玉とも言われ、万事が上手くおさまる。だから、古い詩にも、上玉国五宝中至(誰の詩か不明)とある。このような庭を作れば、災難を防いでくれる。

9:山と逆石

山に設置された石は、状況によっては動かしてはならないと言われている。山の下部にあるものを上部にすることは、逆石とされ嫌われるからだ。このようなことを行うと、石の霊が怒り災いが起きる。

10:簾中周辺と立石・植栽

石を設置する時、木を植える時は、簾中(御簾中<読・ごれんちゅう>=高貴な人の妻。そこから派生し、ここでは高貴な人のいる場所と言った意味か?)近くに設置し、常時王子、若君などかから見えるようにしてはならない。特に、景色がよくなる(風情がある)からと言って、枝が枯れやすい木などを植えるとさらに良くない。石や木は、よりふさわしい所に設置(あるいは植えて)し、より意義あるものとすべきだ。

そこで本日の一口アドバイス。

「悪神(蝦蟆)と善神(神王=宇賀)・吉凶。異常なまでの執着。その背景に・・・」

(りょう)

 

 

 

 

 

ガマ(ニホンヒキガエル)

 

 

 

 

 

 

 

 

宇賀弁財天