りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,080

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・日本三大名園「兼六園」とは②?

「加賀藩」と「兼六園」について検証中。この項では日本三大名園の1つ「兼六園」とはどのような庭園であるのかを考えます。

「兼六園」は前述のとおり、金沢城の外郭を形成する大庭園です。作庭のスタートは1676年からとするのが通説。従って、江戸時代前期の「大名庭園」としましたが、実際には以後200年に渡り営々と造り続けられました。と言うより、現在も作庭進行中の庭園と言ったほうが適切かもしれません。つまり、江戸時代前期に策作庭スタートした国民的庭園と表現する方が相応しいのかもしれません・・・

規模も非常に大きく、11.7ヘクタール(117,000㎡)あり、全ての要素を含む総合庭園ですが、あえて様式を特定するなら、池泉回遊式庭園ということになるでしょう。1922年に国の名勝、1985年には同特別名勝にも指定されています。また、金沢城・金沢公園(現在も復元・建設中)とも続いており、金沢観光の玄関口にもなっています。

「兼六園」という名前は江戸時代後期に付けられたものですが、中国・宋代の詩人・李格非が「洛陽名庭記」の中で、「湖園」(中国の名園)を「宏大、幽邃(ゆうすい)、人力、蒼古、水泉、眺望の6つを兼ね備えた名園」と称したのを引用し、「湖園」同様に6つの素晴らしさを持つ庭と称賛したのが由来。命名者は白河楽翁公(元老中・松平定信)とされています。

この名称でも分かる通り、「兼六園」は巨大な霞ヶ池が中心にあり、その周辺に数々のフォーカルポイントが設けられています。また、高台にあり眼下に金沢の街を眺望できる、自然の高低差を巧みに活用し、より趣のある構成となっているなどの長所も兼ね備えています。同時に季節ごとの風物詩も「兼六園」を楽しむ大きな要素で、特に金沢という立地条件から、冬(雪景色)の素晴らしさが1つの特性にもなっています。

「兼六園」でとくに有名な鑑賞ポイントとしては、ことじ灯篭から霞ヶ池の眺望、冬の風物詩でもある松の雪吊、日本最古の噴水(動力を使わず高低差を活用した噴水)、辰巳用水周辺の風景、夕顔亭等の茶室と周辺の景観、根上松、雁行橋、曲水のカキツバタ、など多種多様。

また、兼六園広坂休憩所(1922年建造で元陸軍第9師団長官舎。木造2階建ての洋館)と言う施設もあり、同館の中には、資料展示室、談話室、等が設置され、「兼六園」「金沢城」鑑賞(見学)をより楽しいものにしてくれます。

そこで本日の一口アドバイス。

「江戸時代前期に産声〜最高峰の大名庭園〜金沢を代表する観光地へと進化・・・」

(りょう)

 

 

 

 

 

「兼六園」の中心・霞ヶ池

 

 

 

 

 

 

ことじ灯篭から霞ヶ池を観る

 

 

 

 

 

日本初の噴水

 

 

 

 

 

 

茶室・夕顔亭

 

 

 

 

 

雪吊松

 

 

 

 

 

根上松

 

 

 

 

 

 

雁行橋

 

 

 

 

 

辰巳用水

 

 

 

 

 

 

曲水のカキツバタ