りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,108

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・紀州の「養翠園」と言う海浜庭園!

江戸時代後期の「大名庭園」を紹介中。この項では、和歌山(紀州)の「養翠園」を取り上げます。ただ、和歌山と言えば和歌山城内の江戸時代初期の庭園(上田宗箇作品と言われている。紹介済み)が有名で、同藩に関係する庭園ならば、もっと古い作品ではと言う疑問を持つ人もいるかもしれません。しかし、養翠園」は城の南南西約4㎞の位置にある海浜庭園で、城付随の庭とは別物。さすが御三家に一つ、時代を隔てて2ヶ所の庭園を造ったという事です。

「養翠園」(ようすいえん)は和歌山市の海浜にある池泉回遊式の「大名庭園」。公家・三条公修によりこの名前が付けられました。作庭者は紀州藩10代当主・徳川治寶で1818(文政元年)〜1826年(文政9年)にかけて造営されています。総面積は33,000㎡。

同庭園の最大の特色は、立地を活かして海水を引き入れた「汐入り池」に代表されるごとく、海浜特有の景観と、潮の干満を有効活用していると言う点。また、背後の天神山と章魚頭姿山(たこずしやま)を借景としており、雄大な景観を楽しむことが出来ます。この景観は中国・西湖をイメージしたとも・・・

「養翠園」の主要施設は、御茶屋・養翠亭(1821年築、建面積310㎡、19室)、2代目茶室・実際庵(表千家の茶室)、湊御殿(和歌山市指定文化財建造物)などで、これらが「汐入り池」を中心とした島・回遊路内に配されています。

「汐入の池」は海南市に造られた近代庭園・温山荘園のヒントにもなり、またこれだけのスケールを持った海水活用の庭園は東京都の「浜離宮恩寵庭園」(紹介済み)との2ヶ所のみ。また、「養翠亭」は唯一の個人所有「大名庭園」。ただ重要な歴史建造物で、文化庁指導の下に1991年に大改修され管理。現在は有料で一般公開されています。また、養翠亭内は非公開ですが、毎月第1日曜日には茶会が開かれおり、会員制で参加可能。

そこで本日の一口アドバイス。

「日本屈指の海浜大名庭園・養翠園。雄大な景観を借景と共に・・・」

(りょう)

養翠園入り口

汐入り池と借景

太鼓橋と守護神

三ツ橋

刈込み松

養翠亭

湊御殿