りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,117

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・江戸時代の作庭書「夢窓流治庭」⑤!

「夢窓流治庭」・・・中谷ゼミ&飛田範夫(ひだのりお)作品をベース資料とする

84:虎嘯(コショウ)石とは

虎嘯(虎の遠吠え)石は山の高い場所に設置する。

85:臥虎石とは

臥虎石は野辺に設置する(虎が獲物を狙い、草むらに伏せている様子を表していると推定される)。

86:柳異石とは

柳異(何を意味している想定困難)石は山の襟(山の高い部分?)に設置する。

87:しやうぼう石(意味不明)とは。

しやうぼう石はひよく(肥沃?、比翼? おそらく後者を指すのであろう)を表し、池の岸に設置する。

88:カンマン(干満?)石とホロン石(意味不明)とは

カンマン石とホロン石は橋の前の左右に設置する。

89:東カウ(向?)石とは

東カウ石は池の向こうのふち(淵?、縁?)に設置する。

90:神石とは

神石は水門の近く、水際、水中に設置する。

91:清面石とは

清面石は水中に設置する。もっとも、水下の方に寄せて(意味不明。水中深くという事か?)置く。

92:鴛鴦(オシドリ)石とは 93:激水石とは

鴛鴦石と激水石は池の中央に設置する。

94:木葉返石とは 95:水禦(スイギョ。禦=御)石とは 96:塵流石とは 97:落水石とは 98:浪受石とは 99:水除石とは 100:水門石とは  

木葉返石、水禦石、塵流石、落水石、浪受石、水除石、水門石は川襟(川の上流?)に設置する。

101:橋挟石とは

橋挟石は橋の前後左右の4ヶ所に設置する。ただし、前面と向う側の2ヶ所の場合もある。

102:三鬼毒竜(おそらく、悪をなす代表的存在と言うこと。ただし、このような言葉事例は他にほとんど存在しない)石とは

三鬼毒竜石とは烏枢沙摩明王(ウスサマミョウオウ)石の事だ(おそらく、三鬼毒竜石=烏枢沙摩明王石は間違い。三鬼毒竜石の悪を封じるため設置するのが烏枢沙摩明王石と言うことであろう)。この石は雪隠(セッチン=トイレ)の近くに設置する。

補足事項①:三鬼毒竜による悪を封じるため、トイレ近くに烏枢沙摩明王石を設置すると意味であろう?

補足事項②:明王とはインドの神様。サンスクリット語ではビディヤ(発音が微妙で他のカタカナ表記例も)。智慧・学問と言った意味。密教で重要視され般若(最高の知恵)・真言の象徴として良く登場する。四大名王(東=降三世<コウザンゼ>明王、西=軍茶利<グンダリ>明王、南=大威徳<ダイイトク>明王、北=金剛夜叉<コンゴウヤシャ>明王)、五大明王、など。

補足事項③:烏枢沙摩明王=悪の通り道を封じると言われている明王。そこから、トイレの神様などとしても親しまれている。

103:臥竜石とは

臥竜石は秘訣の石だ。従って、一般の庭には設置しない。京都の大徳寺の池中(意味不明?)大仙院(大徳寺の塔頭寺院。庭園は室町時代中期作。紹介済み。ただし、作庭者は古岳宗亘=コガクソウコウ=大聖国師。相阿弥は大仙院内の絵画・紙本墨画瀟湘八景図を描いており、おそらくこの点との混同)、相阿弥(室町時代の絵師、作庭家。紹介済み)が作った庭(従って、誤り)がある。その左の通りに役石が設置かれている。それが、臥竜石、亀甲石、長船石、虎頭石、仙帽石、明鏡石、達磨石、沈香石、不動石、観音石、鞍馬石、仏盤石である。

そこで本日の一口アドバイス。

「大仙院庭園の作庭者表記にも疑問有り。また、煩雑なまま石の項終了」

(りょう)

 大仙院庭園