りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,130

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・作庭書「築山山水庭造伝・前篇上」⑥!

「山水築山庭造伝・前篇上」・・・北村援琴・秋里離島共著 1735年の作

17:滝作りに必要な石について

滝口には必ず必要な石がある。そしてそこには大きな石(重要と言う意味?)を設置することに成る。石の呼び方に関しては、仏教関係者の庭の場合は不動石となる。さらに、不動石の左右には童子石設置する。童子石の数は8つ、4つ、あるいは2つのいずれかとなる。これは、8大童子、4大童子、2大童子を表している。さらに、不動石の下には石座を設置する。理由は、不動明王は大磐石でしっかりとしていなければならないため。ただし、この石は状況によっては無かっても良い。

補足事項:童子はインドの神様。密教などでは不動明王に使える神としてセットする事が多い。八大童子=矜羯羅(こんがら)童子、制多迦(せいたか)童子、恵光(えこう)童子、清浄比丘(しょうじょうびく)童子、恵喜(えき)童子、烏倶婆ガ(うぐばが)童子、指徳(しとく)童子、阿耨達(あのくた)童子(以上は高野山の例)。二大童子=矜羯羅(こんがら)童子、制多迦(せいたか)童子。四大童子の例はあまり見ない。

18:蓬莱山に関する事

山水(庭)の中央には蓬莱山を設置する。このようにすると縁起が良いと言われる。そして、蓬莱山は亀の形をしている。だから、亀頭石、両手石、両足石、尾石のどで構成される。その構成が非常に重要である。そして蓬莱山を表す島を中島と呼び、必ず松を植える。もし、木を植えない場合は代わりに亀の頭の形をした石を設置する。

19:二神石に関する事

山水(庭)の前面には必ず二神石を左右に設置する。二神石のことを二王石、二柱石とも呼ぶ。石の形によっては2〜3個の副石を添えることもある。この点に関しては作庭者の考え方に従えばよい。ただし、二王石にも陰陽があることを忘れない事。

20:庭に架ける橋に関する記述

山水(庭)に架ける橋の場所は、必ず河裾(下流)か中程にする事。この他、滝口に朽ちたような木で橋とする場合もある。この橋は、猿などが渡る、獣道のようなイメージとする事。

21:滝口に設置する石について

滝口には、水受石、渓副石、浪分石、水分石、などと呼ぶ石を設置する。この設置の仕方は庭作りにおいて極めて重要だ。だから、よく考えて設置する事。

22:水吐に関する事

河の最下流部を水吐と呼ぶ。そして水吐部分は、滝口が南にある場合は北側に設置する。無熱地(=竜の住むところ=滝口)が北側の場合は流れ出る河を徒多河(インドのヤルカンド河の事。詳細はりょうさんブログ2,129回<前回>参照)と呼ぶ。だから、このような河の構成を徒多流と言う(おそらく恰好を付けのためのこじ付け)。

23:河裾の石に関する記述

河裾(下流)には水除石、落水石、浪受石、塵流石、木葉返石、水門石などを設置する。

24:客人島に設置する石

山水(庭)の両端には必ず2つの島がある。池の端にあるのが客人島だ。この島には、客拝石、対面石、覆脱石、鴎縮石、水鳥岩などを設置する。

25:主人島に設置する石

山水(庭)の両端には必ず2つの島がある。左端が客人島。奥に設置するのが主人島である。主人島には、安居石、腰息石、遊居石などを設置する。その他の石に関しては、いくつあっても主要な石の数には入らない。

26:礼拝石に関する記述

三神石の前には礼拝石を設置する。この石は、状況により1つ、2つ、3つの場合がある。同時に、三神石の北側には山を作る事。山が無い場合は木を植える事。

そこで本日の一口アドバイス。

「石の記述に変化なし・・・ただしスッキリ分かりやすい表記で好感度アップ?」

(りょう)

216:こんがら童子

 

 

 

 

 

 

 矜羯羅(こんがら)童子