りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,140

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・作庭書「築山山水庭造伝・前篇中」③!

 

「山水築山庭造伝・前篇中」・・・北村援琴・秋里離島共著 1735年の作

11:樹形の整え方

松を作るには、鎌割、挟割、指割、葉刈、などと言う種々の作業がある。鎌割とは鎌を使って全体を透かし整える作業を言う。挟割とはハサミを使ってもう少し細かな枝を透かし整えることを言う。指割とは鎌・挟割の後に指(手)で古い葉を取り除く最終の整形作業を言う。

また、玉作り、伏作り、光琳作りと言った松の樹形の整え方があるが、どの整え方であっても作業の方法は同じだ。玉作りとは、松全体を竹の輪で囲み、丸く整えるためこの名が付いた。伏作りとは、小枝を竹で伏せるように固定して、横に広く作るためこの名が付いた。光琳作りとは、尾形光琳(江戸時代中期を代表する画家)が描いた松の樹形をモデルとしているためこの名が付いた。

葉もの透かしとは、木犀、樫類等に行う作業(良く葉の茂る常緑樹対象の作業と解釈すべきであろう)だ。この透かし方は特殊な6つの方法に含まれ、松の透かし(剪定・葉刈り)は素人でもできるが、葉ものの場合はプロでないと出来ない(この部分は現代感覚とは逆。今では松は難しく、他は比較的簡単と言うイメージが強い。江戸時代はそれだけ松がポピュラーなものであったという事であろう)。葉もの透かしは、残しておく葉が時により1枚、2枚、3枚などのケースがあるが、1枚と3枚残しは好まれる(吉)が、2枚残しは嫌われる。

以上提示したことは、絶対的な決まり事ではない。従って、本に添付された図(中谷ゼミ資料に図の添付は無い)に特別にこだわる必要はないが、参考資料として頭に入れて置く事。一般的に言って、枝・葉ともに重なることを重箱と言って、視線を上下に重なって遮ることが無いように、前か奥のどちらかをカットし透かしなさい。このような作業は松もまた同様で、枯れ枝や苔を綺麗に取り払う事。

刈り込みを行うべき樹木は、最初に根元から出た芽を適度にカットする。次に、幹の中間にある枝・古い葉などは虫が付きやすいので、取り払い樹木の健康を保つ。最後に上部や周辺の刈り込みを行う。根元の芽だけをカットし、その他の部分が残ったままでは、上手な刈り込みとは言わず、素人のへたくそな仕事と言う。剪定作業は高木・低木・丸物(ツゲやサツキ等を丸くカットしたもの)・角物(生垣等長方形にカットしたもの)など全て同じだ。施主の依頼に対し、手抜きをするようなことがあってはいけない。

12:石の設置方法

石を設置するためには、まずその石に適した穴を掘る。掘った土は全て穴から少し離れた場所に除け盛り上げて置く。穴のすぐ横に盛り上げると、正確な穴のサイズなど、状況が分かりにくくなり、深い浅いなどの正確な判断が出来なくなるからである。穴のすぐ横に余計な土があり、周囲が乱れていると、石の設置に支障をきたす。

次に設置すべき石の特性(形、大きさ、重量、等)をしっかりと見定め、それに応じて穴に固定するための小さな石(小詰石)を適度に入れる。そして本体の石を設置し、さらに土を半分程入れ突き堅める。さらに、周囲の状況(地形)に合わせ土を追加して再度付き堅める。この時、足で踏み土を堅めるようなことをしてはいけない。

この作業で、土を固めるために使う道具は木槌である。そして、木槌は状況に応じて大小を使い分ける事。大きな石を設置する時は大きな木槌を使う。小さな石を設置する時は小さな木槌を使う。小さな石に大きな木槌を使うと失敗する。大きな石に小さな木槌を使っても何の役にも立たない。このような事は石の設置に限るものではない。適切な道具を使うという事は、全ての作業に共通する。

飛び石を並べる場合は、表面のサイズ(飛び石の直径)が30㎝(1尺)の時、設置するための穴は54㎝(1.8尺)。表面サイズが90㎝(3尺)の場合は同114㎝(3.8尺)。他のサイズの場合もこの原則に従いなさい。また、飛び石が安定しない場合は、固定するための小さな石(小詰石)の使い方が悪いという事も知っておきなさい。飛び石を設置する時の穴が大きすぎると小詰石が上手く機能しない。

飛び石を置き安定させる場合は、周りに土を入れてよく突く。この時に土の入れ方が少なく小詰石が多すぎると、石が浮いて安定しない。石を設置し、小詰石を入れ、土を突き固める時は、上記の事が最重要ポイントとなる。

そこで本日の一口アドバイス。

「実務的部分には参考点が多い。ただ、その他の記述は稚拙さも・・・」

(りょう)

226:庭石の設置

 

 

 

 

 

 

石工事はベース処理が最重要ポイント!