りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,190

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・「平安神宮神苑」が語るもの?

小川治兵衛の作品を紹介中。「無鄰菴」に続いては「平安神宮神苑」を取り上げます。「平安神宮」は、京都を訪れた人が最も多く最初に足を運ぶ場所ではないでしょうか? でも、その実態が何であるのかを知る人は意外に少ないかもしれません。明治に作られた比較的新しい神社で、歴史の大舞台に登場する事などが無かったためでしょう。

「平安神宮」は1895年(明治28年)に、平安京遷都1100年を記念し創建されました。主催神は桓武天皇(50代・737〜806年、平安京を作った天皇)と孝明天皇(121代・1831〜1867年、江戸時代最後の天皇)で、官幣大社・勅祭社・別表神社の指定を受けています。平たく言えば「明治時代になり東京に遷都したため、京都に都があったことを再確認し記念するために作られた公的な神社」と言う事。だからこそ、平安京初代と最後の天皇が祀られました。

「平安神宮」の所在地は京都市左京区岡崎西天王町で、神社部分と庭園部分(神苑)部分からなり、総面積約66,000㎡の巨大な施設です。加えて、岡崎公園・大鳥居・京都会館・京都市立美術館・京都市動物園などとも一体化し、一大文化ゾーンを形成しています。だからこそ、京都観光第一の拠点にもなっているわけです。なお、社殿は明治に作られたものですが、平安時代の大内裏の正庁「朝堂院(八省院)」等を8分の5の縮尺で復元したもので、平安京の中心部を近・現代によみがえらせたと言えるかもしれません。

「平安神宮神苑」は平安神宮社殿一帯の風致保存を目的に神社とほぼ同時に作られ、神社全面積の約50%・33,000㎡の広さを持っています。作庭者は前述のとおり小川治兵衛。同苑は神社の正面(南側)以外の3方を取り囲む形の池泉回遊式庭園・緑地で、メインとなるのは東側の「東神苑」。栖鳳池が中心部にあり、池の橋を兼ねて中心的建造物・泰平閣(橋殿)、北西対岸には尚美館(貴賓館)と言う庭園内の主要建造物2種が建てられています。

その周辺園路を北に進むと、臥竜池を中心とした中神苑。さらに西に進むと白虎池を中心とした西神苑があり、さらに、南側の茶室〜南神苑へとつながっています。つまり、神社とセットになった庭園であるため、寝殿造り庭園的要因、中国の陰陽五行説的要因が盛り込まれた庭園ということが出来ます。しかし、現実の庭園風景を見ると、各部のバランスが非常に良く、それほど強く宗教色を感じさせるものではありません。むしろ、来園者を飽きさせないよくできた庭園・・・と言った印象を強く受けます。良きにつけ悪しきにつけ、近代日本庭園であり小川治兵衛式庭園であると言えるでしょう。

そこで本日の一口アドバイス。

「平安朝を再現した神社&庭園。しかし、意外に近代的なバランス感覚も・・・」

(りょう)

276:神苑案内図

平安神宮・神苑案内図

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

276:平安神宮

 

 

 

平安神宮

276:栖鳳池

 

 

 

 

栖鳳池(東神苑)

 

276:泰平閣

 

 

 

 

泰平閣(東神苑)

 

276:尚美館

 

 

 

 

尚美館(東神苑)

 

276:西神苑のハナショウブ

 

 

 

 

 

ハナショウブ(西神苑)

 

276:日本初の電車

 

 

 

日本で最初の電車(南神苑)