りょうさんの:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,192

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・西園寺公望の別邸「清風荘」!

小川治兵衛の作品。この項では「清風荘」を取り上げます。

「清風荘」とは、西園寺公望(1849〜1940年。元公家。伊藤博文総理時代に、文部大臣・外務大臣等を歴任)の別邸として造られた建造物で、現在は京都大学の所有となっています。その元は江戸時代に作られた徳大寺家の下屋敷「清風館」。現「清風荘」は1910年に着工され1912年に完成しました。ただし、主屋西側の「離れ」は1914年の完成で、明治時代終盤〜大正時代初期の作品となります。建物の設計は二代目・八木勘兵衛、庭園は七代・小川治兵衛の作品としても知られ、文化財としても高い評価を受けています。在地は京都市左京区田中。

「清風荘」の敷地は、東が狭く西が広いと言う台形で、その中に、主屋・離れ・正門・土蔵・納屋・詰所・付属屋・茶室・供待・第一中門・第二中門・袴付及び待合などの建物が配され、これらを池泉回遊式の庭園でつないでいます(清風荘配置図参照)。そして、建物は明治・大正期の数寄屋風、庭園は近代的日本庭園の代表作としても高い評価を受けています。また前述のごとく、京都大学の所有で管理保護状況も極めて良好なうえ、各種研究も進み、その価値をより高いものにしています。日本の文化財は、保存に不備があるもの、保存が良くても研究に不備があるものが多く、このような現状から比較すると「清風荘」は文化財保護のモデルと言えるかも知れません。

庭園は前述のごとく、池・水路を中心とし、水が大きな役割を果たす池泉回遊式。また、池の形、他の部分との面積バランスが非常に良く、小川治兵衛イムズをそこに感じ取ることが出来ます。ただし、あまりにもオーソドックスすぎると言った感もあります。

北西~南西方向に伸びた三日月形の池には、北東部に中島、南西部に橋が配され、回遊時に各所で優れた景観を楽しむことが出来ます。また、茶室にセットされた露地も見逃すことが出来ない魅力を持っています。

そこで本日の一口アドバイス。

保護状況・研究度も含め最良の文化財・清風荘。勿論、小川治兵衛イムズも・・・」

(りょう)

278:西園寺公望

 

 

 

 

 

 

 

西園寺公望

 

278:中門

 

 

 

 

 

中門

 

278:清風荘配置図

 

 

 

 

 

 

 

 

 

配置図:①主屋(しゅおく)②離れ③茶室④供待(ともまち)⑤袖付お呼び待合⑥正門⑦第一中門⑧第二中門⑨土蔵⑩納屋⑪付属屋

278:清風荘

 

 

 

 

 

主屋(左)と離れ(右)

 

278:池と中島

 

 

 

 

 

池と中島(池の北東部を望む)

 

278:池と橋

 

 

 

 

 

池と橋(池の南西部)

 

278:築山山頂より

 

 

 

 

 

築山山頂よりの全景(北東方向~南西方向を望む)

 

278:露地

 

 

 

 

 

露地