みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,234

 

「日本庭園と日本外構 編」・・・「ジュロン・ヒル星和園」とは?

海外の「中根金作作品」。この項では「ジュロン・ヒル星和園」を取り上げます。

「ジュロン」とはシンガポール南西部に広がる大湿地帯の事。国の発展に伴い、同国ではこの一帯の商・工業地区化を進めています。その開発に携わっているのがJTCコーポレーション(ジュロン・タウン・コーポレーションの略。現在は略語が正式社名)。ただ、同開発の範囲には、環境維持のため、ビジネスパーク等の開発も含まれています。

そして、パーク開発の基幹部門となったのが、「ジュロン・ヒル公園」。この公園は、同地区内の「ジュロンレイク」内に32エーカー(約1.3㎢)人工島を造りパーク化したもので、1972年に開園しています。そして、同公園内には多くの庭園があり(ジュロンガーデンズ)日本庭園と中国庭園も造られ、日本庭園が「中根金作」作庭の「星和園」(現地では単にジャパニーズガーデンと呼ばれることが多い)。一方、中国庭園は「裕華園」と呼ばれています。

「星和園」は総工費300万ドル(シンガポール政府180万ドル、日本政府120万ドルを負担した合弁事業)と4年の歳月を費やした本格的な日本庭園。ただし、作庭場所がシンガポールと言う事もあり、各所に中国風・アジア風の雰囲気を盛り込んだ庭園となっています。

「星和園」の構成を見ると、異国情緒漂う?入口があり、その門をくぐると燈篭、赤い太鼓橋、鳥居などがあり、豊かな現地の自然と日本的なものが融合した空間が広がっています。また、全体的には回遊式庭園となっており、小高い丘(築山)を登ったり、ハスなどが植えられた池を散策でき、周辺の「ジュロン」商・工業地区とは異なる、静かでゆったりとした時を過ごすことが出来ます。

さらに進むと、東屋などがあり、その向うにグリーンの囲いが見え、その中に大きく育ったソテツが植えられています。これは、1970年に同地を訪問した当時の皇太子・皇太子妃が記念植樹した物。なお、2006年には天皇・皇后両陛下となられたお二人が同地を再訪問しています。なお、日本庭園と中国庭園は「雙秀橋」で結ばれています。

なお、同園作庭に関して、「中根金作」は「作庭は自然素材を使う造形だ。現場では理論をさしはさむ余地は無い場合がある。このことは、現実に作庭を行えばただちに理解できる。作庭とは理論だけで出来るものではない」と言った言葉を残しています。シンガポールと言う全く環境が異なる東南アジアで日本庭園を造った、彼の本音とも言えるでしょう。さて、あなたの評価は・・・

そこで本日の一口アドバイス。

「熱帯・東南アジアに造った日本庭園。そこには、特有の苦労と現地との同化が・・・」

(みずき りょう)

320:本部ビル

 

 

 

 

 

 

 

JTC本部ビル

 

320:遠景②

 

 

 

 

 

池の対岸から入口方向を観る

 

320:遠景

 

 

 

 

 

 

遠景

 

320:星和園

 

 

 

 

 

入口付近

320:枯山水遠景

 

 

 

燈篭他

 

320:記念植樹

 

 

 

1970年に記念植樹されたソテツ

 

320:雙秀橋

 

 

 

雙秀橋