みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,252

 「エクステリア用天然木大研究」第3回・・・エクステリア材の正しい使い方①?

金属・樹脂・木樹脂・焼物等の工業エクステリア製品と比較しても、天然木のエクステリア製品(現場)は対等以上の耐久性を持っている。前項の説明でご理解願えたでしょうか。ただし、あくまでも正しい使い方をした場合です。では天然木の正しい使い方とは? 正直、一言二言で説明できる事柄ではありません。しかし、この「エクステリア用天然木大研究」にとり最重要テーマの1つです。従って、やや煩雑にはなりますが、詳しくポイントとなる項目を提示し解説していく事にします。

天然木の正しい使い方NO1=経年変化を上手く受け入れて使う

天然木をエクステリア材として正しく使う場合、この項目が全ての前提条件となります。言い換えれば、天然木は工業製品とは別の視点で使わなければならないと言う事。具体的には、天然木は生きた素材で経年変化を受け入れながら使うと言う事。最後には朽ち果てると言う点も受け入れる必要があります。ただし、正しく使えば、経年変化はゆっくりと進み、朽ち果てるまでには予想以上に長い時間を必要とします。だから、その対応年数は20〜30年。場合によっては50年以上と、一般のユーザーが考えている以上に長いものです。

では、経年変化を受け入れるとはどういう事でしょうか。それは、使用には支障の無い変化をむしろ楽しむと言う事でもあります。具体的には、変色(塗装しない場合、全ての天然木はグレーに変色<色落>する)、小さなヒビワレ・ソリ・ヒネリなどが生じる、などが主なもの。この変化をある程度止めたり遅らせたりする方法はあります。しかし、あまり無理をする(例:金属に使うような表面に塗膜を作るような塗料を使うと、木の呼吸作用を阻害する)逆効果となるばかりか、対応年数まで縮めてしまいます。

その一方で、経年変化を受け入れるとは、天然木でしか味わえない風合いを楽しむと言う長所にもつながります。例えば、金属などの工業製品の場合は、設置したときがピーク(最高の状態)で、時間の経過とともに価値が下がるものが大部分。しかし、天然木の場合は経年変化とともに「別の味」が生じて、より大きな満足感を提供してくれる場合が珍しくありません。

このような感性は、かつては日本人の本質に繋がる素晴らしいものでした。しかし、近年ではむしろ欧米の人達の方が経年変化を楽しみ、それと上手く付き合っています。一方、日本人は目先の美しさを維持する事にばかり目を奪われ、経年変化、あるいは自然との付き合いから生まれる美しさ・奥深さを忘れてしまったように感じられてなりません。だからこそ、天然木の素晴らしさをもう一度見直すべきでしょう。

そこで本日の一口アドバイス。

「長い時間をかけて経年変化を楽しむ。それが天然木と付き合う基本!」

(みずき りょう)

ライフ③

 

 

 

 

 

 

 

天然木(ウリン)の門柱:施工直後

 

ライフ①

 

 

 

 

 

 

 

上記のフロントガーデン:施工直後

 

ライフ②

 

 

 

 

 

4年ほど経過した同フロントガーデン:門柱・樹木等の経年変化で周囲の風景と見事に調和。

ライフ④

 

 

 

 

 

門柱も施工当初よりしっとりと落ち着いた感じに。勿論、品質的には何の問題も無い。