みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,258

 「エクステリア用天然木大研究」第9回・・・「ハードウッド」って何だ?

既に、エクステリア用として推奨できる「イペ」「ウリン(ビリアン)」「レッドウッド」「サイプレス」と言う4つの天然木を紹介しました。ただし、世界には無限とも言える天然木があり、少し条件を拡げると推奨木材は4種に限られるものではありません。従って、+αを含めた推奨木材を取り上げ、その特性を分かりやすく提示していく事にします。そして、最初に取り上げるのは「ハードウッド類」。

しかし、一口に「ハードウッド類」と言っても、その種類は非常に多く、日本に入ってきているものだけでも20種を超えるでしょう。その全てを紹介しても、品質的に疑問が残る・コンスタントな材料確保が困難・価格が高すぎてエクステリア用としては使いずらい・・・などの課題を持つものも多く、あまり意味がありません。従って、筆者が事前にセレクトして紹介する意味があると判断した「ハードウッド」のみをピックアップし取り上げます。

ただし、その前に「ハードウッド」とは何かを確認しておく必要があります。ある共通の問題点と、だからこそ守るべきルールを持つ天然木であるからです。

「ハードウッド」とはその名が示す通り硬い木の事です。では何故硬いかと言うと、全体の密度濃く重いからです。そして、重くて硬いために腐りにくく、エクステリア材として適しているものが多いと言う事。そして、以上で取り上げた「ハードウッド」の特性が、ある絶対的共通点を作りだしています。それは「全体の密度が濃く重い(硬い)」と言う言葉に凝縮された共通点でもあります。逆に言えば、硬くても部分的では意味が無いと言う事。部分的にやわらかいところがあれば、そこから腐る危険性があるからです。少し理屈っぽくなりますが、では全体に硬くなるための条件とは。答えは年輪が無い木材であると言う事=自生地の気温がほぼ年中同じと言う事に成ります。そして、このような条件を満たしてくれるのは熱帯地方のみ。しかも、樹木が多く自生している部分。そう、熱帯雨林産の樹木のみが「ハードウッド」になる可能性を持っているわけです。

より明確に言うと熱帯雨林産の樹木で木質が硬くて重いもの(具体的には木材となった時の比重が1.0前後あるもの)、それが「ハードウッド」であるわけです。ここまで書けば「ハードウッド」の共通点はもう一目瞭然。熱帯雨林産の天然木であるため、自然破壊・地球温暖化問題と直結している木材であると言う事。そして残念ながら、現在の技術・社会事情では「ハードウッド」の植林~栽培木への切り替えはほぼ不可能です。さらに、熱帯雨林は、A:一度破壊すると再生は極めて困難 B:熱帯雨林の樹木(少なくとも高木は)は成長が遅く、新しい技術(部分伐採)で再生を目指しても極めて長い時間がかかる・・・と言う厄介な特性を持っています。

現実に、熱帯雨林の消失スピードはどんどん速くなっています。だからこそ、「ハードウッド」を使う場合は、絶対にこの現実から目をそらせてはなりません。同時に、より厳しいルールを作り守ることが必須条件となります。

そこで本日の一口アドバイス。

「ハードウッドは熱帯雨林破壊問題と直結したお木材! だからこそルールが!」

(みずき りょう)

9:熱帯雨林

 

 

 

熱帯雨林の分布図

9:南米の熱帯雨林

 

 

 

 

南米の熱帯雨林

9:伐採破壊

 

 

 

 

伐採により破壊された熱帯雨林

 

9:ボルネオの熱帯雨林

 

 

 

 

 

ボルネオの熱帯雨林の変遷