みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,260

 「エクステリア用天然木大研究」第11回・・・ボルネオからの贈り物「ウリン」!

日本で定番的に使われている「ハードウッド類」を紹介中。「イペ」に続いては「ウリン」を取り上げます。

「ウリン」はクスノキ科の常緑高木。ただし、「イペ」のような巨木には成長しないようで、直系60〜70㎝以上と言った巨大な原木は殆ど見かけません。主産地はボルネオ島(その他の地域にも一部自生している模様だが、殆ど情報は無い)。従って、自生範囲がかなり限定される樹木と言えます。

また、日本に輸入され広く使いだされたのは20年ほど前からで、比較的新しく定着した「ハードウッド」と言えます。ただ、その人気は急上昇し、現在では最も広く使われかつ代表的「ハードウッド」となっています。

「ウリン」材の特色としては、A:木材の比重(気乾比重)9.6前後 B:樹液にタンニンを多く含む C:色はダークブラウン D:ソリ・ヒネリ・ヒビワレが少ない E:価格も「イペ」と比べると安い・・・などを上げることが出来ます。そして、上記の特性を整理すると、A+B(タンニンには防腐作用と白アリ防止作用がある)により強度・耐久性に非常に優れている(このため現地では「アイアンウッド」と呼ばれている)、ソリ・ヒネリ・ヒビワレが少ないため使いやすくクレームが少ない・・・と言った魅力的木材であることが分かります。

その一方で、施工後に赤い樹液(タンニン・無害)が流れ出し、普及当初はこれが嫌われると言った事もありました。しかし、使用上の注意(樹液が染み込む様な材料を周囲で使わない。表面の汚れはキッチンハイターでふきとれば落ちる)を怠らなければ問題が無い事が分かり、プラス面の評価で不動のエクステリア材となりました。しかし、その一方で問題点も出てきました。

「ウリン」の主産地は前述の通りボルネオ島。そして、同島は中央山岳地帯を境として、北部はマレーシア・ブルネイ(ごく一部)の2国、南部はインドネシア、合計3国が領有(地図参照)しています。「ウリン」が日本に導入された当初はインドネシアから主に輸入されていました。しかし、個体の減少・森林保護等の理由により輸出制限がかかり、現在はシンガポール産の輸入木材が主力となっています。最近は、「ウリン」名より「ビリアン」名で多く流通するようになりましたが、それはシンガポール名によるもの。

以上の記述でも分かる通り、「ウリン」の自生地は限られており、材の確保が難しくなってきました。同時に、ダークブラウンと言う色調のはずが、黄色味を帯びたブラウンと言った材も増えてきています。色の変化=品質低下と考えるのは早計ですが、若木も伐採されているのでしょうか、「えっ、これがウリン」と言ったものも見かけるようになりました。だからこそ、適材適所を考えボルネオからの贈り物「ウリン」を大切に使って行きたいものです。

そこで本日の一口アドバイス。

「自生地が限られている良材・ウリン。絶滅させないように大切に使おう!」

(みずき りょう)

11:ハイデッキ

 

 

 

 

 

鉄木(アイアンウッド)「ウリン」のハイデッキ

 

11:門柱

 

 

 

 

 

「ウリン」の門柱

 

11:目隠しフェンス

 

 

 

 

 

「ウリン」+アルミの目隠しフェンス

 

11:ウリンの板材

 

 

 

 

 

 

 

「ウリン」の板材

 

11:ウリンの原木

 

 

 

 

「ウリン(ビリアン)」の原木(比較的材が小さい)

 

11:ウリンの立木

 

 

 

 

「ウリン(ビリアン)」の自生する姿

 

11:ウリンの葉

 

 

 

 

「ウリン(ビリアン)」の葉

 

11:ボルネオ島

 

 

 

 

 

 

 

「ボルネオ島」:北部はマレーシア・ブルネイ、南部はインドネシア