みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,261

 「エクステリア用天然木大研究」第12回・・・「アマゾンジャラ」の素顔とは?

この項では、ハードウッド「アマゾンジャラ」を取り上げます。と言ってもこれは日本だけで通じる商品名。本当の名前は「マサランドゥーバ」「マニルカラ」等。エクステリア用の木材としては比較的多用されていますが、このように名前の混乱から、情報が錯そうしているケースも珍しくありません。

「アマゾンジャラ」はアマゾン川流域に主に自生しているアカテツ科の常緑広葉樹で、原木を見るとかなりの巨木に成長する高木でもあります。ただ、自生段階の情報は極めて少なく、写真の入手さえ困難な状況です。このような現象は「ハードウッド類」全体に当てはまります。自生状態等を知られたくないと言った悪意や、商売以外の情報には関心が無いと言った日本人の欠陥がそこに潜んでいるのではないでしょうか。特に、南米材でこの傾向が強く、著名な「イペ」以外は誰も何も知らないまま使われているのが偽らざる事実です。

「アマゾンジャラ」の特性は、A:木材の比重(気乾比重)1.1と非常に重く耐久性・強度面に優れている B:ソリ・ヒネリが比較的大きい C:ヒビワレは一般的「ハードウッド」並 D:ダークブラウン色で外見は「ウリン」と似ているが樹液が周囲を汚す頻度は少ない E:供給は安定しており価格も比較的安い・・・などを上げることが出来ます。

以上の特性から、①:デッキや単純なフェンス向きの木材 ②:ただし長尺材は出来るだけ使わない方が良い ③:角柱フェンスのように精度を求められるもの、複雑な形状が求められるものには不向き・・・と言った木材であることが分かります。逆に言えば、性質を理解して使用すれば魅力的な「ハードウッド」とも言えます。

前述のごとく、樹木としての「アマゾンジャラ(マサランドゥーバ、マニルカラ)」の情報は殆ど入手できません。従って、アカテツ科とアカテツについて若干代行記述しておきます。それがどこまで直接つながる情報であるかは不明ですが、何かのヒントとなれば幸いです。

まず、アカテツ科ですが、65属約800種にも及ぶ大家族です。従って、熱帯地方全域に分布しています。ただし、「アマゾンジャラ」がどの属に含まれ、どのような種であるのか、植物分類学上の問題に関しては殆ど情報がありません。おそらく、植物学者等の専門家以外は何も知らないまま木材として流通しているのではないでしょうか?

アカテツに関しては、主力の自生地は南西諸島。常緑広葉樹でかなりの巨木になります。しかし、分布域からして「アマゾンジャラ」と「アカテツ」同じ科ではあっても、さらに細かな分類段階の属に関しては少し離れた関係であるのかもしれません。従って、「アマゾンジャラ」の樹形等を類推するためのどの程度の参考材料になるかは不明ですが、アカテツの写真を提示しておきますので一つのヒントとしてください。

そこで本日の一口アドバイス。

「謎だらけのアマゾンジャラ。しかし、比較的多く使われており評価は中の上程度」

(みずき りょう)

12:デッキ

 

 

 

 

 

 

 

「アマゾンジャラ」製のデッキ

 

12:目隠しフェンス

 

 

 

 

 

「アマゾンジャラ」の目隠しフェンス

 

12:角材

 

 

 

 

 

 

 

「アマゾンジャラ」の角材

 

12:板材

 

 

 

 

 

「アマゾンジャラ」の板材(「ウリン」と似ている)

 

12:原木

 

 

 

 

 

 

 

「アマゾンジャラ」の原木(「ウリン」より大きい)

 

12:経年変化

 

 

 

 

「アマゾンジャラ」の経年変化(使用上の問題なし)

 

12:アカテツ

 

 

 

 

 

 

 

「アカテツ」(「アマゾンジャラ」にどこまで似ているかは不明)

 

12:アカテツの葉

 

 

 

 

 

「アカテツ」の葉