「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,266
「エクステリア用天然木大研究」第17回・・・それでも魅力いっぱい「SPF材」?
針葉樹系のエクステリア用天然木を紹介中。「レッドウッド」「サイプレス」に続き「SPF材」を紹介します。しかし、「SPF材」はエクステリアに最も不向きな木材です。それでも取り上げざるを得ない訳が・・・
「SPF材」とは世界で最も多用されている木材。元は、2×4系統の建築用構造材。名前の由来は、S=スプルース(トウヒ)・P=パイン(マツ)・F=ファー(紅)の3種混合材であるため。北米・ヨーロッパなど全世界で生産され、日本では北米からの輸入材が主流。
木材としての特色としては、1:木材の比重(気乾比重)は0.4〜0.5程度のものが多いがかなりバラツキがある(材により品質差がかなりある) 2:ソリ・ヒネリ・ヒビワレ(アバレ)は比較的大きい 3:屋外使用では腐りやすく耐久性に問題がある 4:価格が極めて安く入手も容易(どこのHCでも安価で販売されている)・・・などを上げることが出来ます。つまり、建築構造材・同造作材・家具材等には向いているが、エクステリア材としては不適切であると言う事。従って、プロが屋外用に「SPF材」を使う事はまずありません。
にもかかわらず「SPF材」を取り上げた理由は、4:安価+誰でもどこでも入手可能・・・と言う点にあります。より分かりやすく言えば、DIY用の材料として、A:塗装によるメンテなど一定のルールに従い使う B:自分で随時施工・補修する・・・と言うルールに従えば、極めて手軽なエクステリア材になるからです。例えばデッキを自分で造った場合、天然木の一定の魅力を引き出すことが出来る・圧倒的に安くできる・塗装等のメンテを行えば一定の耐久性を維持出来る・部分補修を怠らなければ長期使用も可能・・・など、多くの魅力を秘めています。
その他、「SPF材」は、1×4・1×6・2×4・2×6・2×8・4×4(断面のインチサイズ)など材料も豊富で、これらを組み合わせることであらゆる工作物を作り出すことができます。まさに、DIYの切り札的存在で、エクステリアの世界でも前記ルールを守り使えば、これほど便利で有効な部材はありません。
また、SPF材は大量生産・大量使用されていますが、欧米が主産地であるため、熱帯材とは異なり、人工林・自然林を問わず厳重に資源管理されています。従って、自然保護という観念からも推奨すべき建築材と言えます。
そこで本日の一口アドバイス。
「プロ用エクステリア材としては×。でも、DIY用エクステリア材としては◎=SPF材!」
(みずき りょう)
「SPF材」は最も廉価なDIY用部材
「SPF材」製のデッキ(塗装処理)
「SPF材」製の家具
「SPF材」:どこでも安く入手可能
「スプルース」(トウヒ)
「スプルース」の葉
「パイン」(欧米のマツ)
「パイン」の葉
「ファー」(モミ)
「ファー」の葉と種