みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

「りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,273

 「エクステリア用天然木大研究」第24回・・・最も過酷な条件下で使う「デッキ」?

エクステリア用として使われる「ハードウッド類」と「針葉樹類」のチェックを行ってきました。続いて、屋外の中でも分野別に特性をチェックし、どのような材を選び、何に注意すればよいかを探っていきます。一口にエクステリアといっても分野により過酷さ・施工状況等がかなり異なるからです。まずは「デッキ」から・・・

結論から言うと「デッキ」は最も過酷な自然条件にさらされます。屋外使用の場合、水平使用と垂直使用を比較すると、水平使用のほうがはるかに条件が過酷になるからです。太陽光(紫外線)・風雨等の直撃を垂直部分より水平部分のほうがより多く受けるからです。従って、「屋根」と「デッキ」がある意味一番かわいそう。ただ、近年においては屋根に天然木を使うことはほとんどなくなりました。となれば「デッキ」だけが・・・

以上を「デッキ」の前提条件とすると、A:ノーメンテナンスを前提とする場合は、最も耐久性のある天然木を使う B:メンテナンスを前提とする場合は、どの部分より回数を多くし綿密に行う・・・以上2点が極めて重要になります。以上を前提に、AとBについてもう少し具体的に述べます。

Aの場合は、耐久性が最大のポイントとなるので、それを基準に材料設定する事。となれば、「ハードウッド類」の中で特に耐久性に優れているものがベストであると言う事。従って、第1推奨木材=「ウリン(ビリアン)」と言う結論が導き出されます。なぜなら、「ウリン」は「硬くて重い」+「樹液に大量のタンニン(ポリフェノール)」を含むと言う2つの特性から、現在のところ最も耐久性のある天然木(ある木材輸入業者の資料によると耐久性30年以上)であるため。「ウリン」を使うと、施工当初~6ヶ月間ほど赤い樹液が染み出し廻り汚します(無害。キッチンハイターで拭き取ると落ちる。ただし、周辺に砂岩、凝灰岩、石灰岩などの水が染み込む素材が使われている場合はシミになるので要注意)。しかし、だからより耐久性に優れている。この点をお忘れなく。

続いて第2推奨木材=「イペ」or「アマゾンジャラ」。両者は「ウリン」に続く耐久性を持っているため。ただし「イペ」は値段が高い。「アマゾンジャラ」値段は比較的安いがソリ・ヒネリ・ヒビワレがやや多い、と言った短所もあります。いずれにしても、ノーメンテナンスデッキなら以上3種が筆者のお勧め!

Bの場合は、素材に応じたメンテナンスを行えばどのような木材を使っても良いと言う事。しかし、メンテナンスは頻度は当然少なく内容も簡単な方が良いでしょう。となれば、「ウリン」程でなくても耐久性に優れた木材を使ったほうが有利。ただ、中途半端な「ハードウッド類」を使うよりは風合いも含め、針葉樹系の「レッドウッド」「サイプレス」が筆者のお勧め。そして、5〜6年に1回程度楽しみも兼ねて、DIYでメンテ塗装を行ってはいかがでしょうか。

その他の木材を使う場合は、塗装等のメンテナンス頻度を材料特性に合わせ増やしてください。例えば、「SPF」「スギ」などの場合は1年に1回程度の塗り替えが必要ではないでしょうか? また、「サーモウッド」「エコアコールウッド」の場合はデータ不足と言う側面があるので、研究とチェックを怠らず使ってみて下さい。

そこで本日の一口アドバイス。

「デッキには最も過酷な条件が! だから、素材選び・使い方に特に注意を!」

(みずき りょう)

24:ウリンハイデッキ

 

 

 

 

 

「ウリン」のハイデッキ:一押しのノーメンテ素材

 

24:アマゾンジャラデッキ

 

 

 

「アマゾンジャラ」デッキ:「ウリン」に次ぐ耐久性

 

SN3R0143

 

 

 

 

 

 

 

「レッドウッド」デッキ:耐久性は良いがたまにはメンテ塗装も・・・

 

24:スギデッキ

 

 

 

 

 

「スギ」デッキ:出来れば年1回程度のメンテ塗装を!