みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,309

 「現代住宅植栽考」 第29回・・・シンボルツリー常緑三羽烏とは?

現代住宅と植栽のかかわり+その重要性について検証してきました。この項からは、それを前提とした推奨植物を紹介していきます。ただ、樹木・草花については大量の情報がネット・書物等で得られます。従って、同じような視点で植物を取り上げても意味がありません。従って、A:現代の住生活にピッタリで自信をもってお勧めできる植物 B:知っておくとより楽しくなる蘊蓄(ウンチク)・・・にテーマを絞って紹介していきます。

まずは、最も重視されるシンボルツリーから。そして、シンボルツリー向きの樹木を紹介するにあたっては、常緑系と落葉系に2分し、次にお勧めポイント別に分けてピックアップしていきます。まずは常緑系から。

常緑樹でシンボルツリー向きの樹木と言っても本当に多種多様。しかし、今回はあえて三羽烏(3種)に絞り込みます。具体的には、シマトネリコ、ソヨゴ、ハイノキの3種。

「人気NO1の秘密:シマトネリコ」

最初に取り上げるのは「シマトネリコ」。その理由はもうお判りでしょう。最近10年間では最も多く使われているシンボルツリーであるからです。では、なぜ最も多く使われているのでしょうか? その理由を探るため、最初に学術的分類・特性を確認しておきましょう。

シマトネリコはモクセイ科トネリコ属の常緑広葉樹で樹高15m以上に成長します。日本では沖縄に自生。その他、台湾~インドネシア・マレーシア~インド等に分布しています。と言うよりも主産地はインドネシア・マレーシア方面で、熱帯・亜熱帯の樹木。当然、暖かい地方向きで「寒さに弱いにでは」と言う心配も。しかし、日本国内での栽培歴も長くなり、長野県等でも立派に成長しており、極端な寒冷地でなければ問題ありません。ただ、冬の寒さが厳しいと葉の変色・落葉があり、半常緑樹と記載されている場合もあります。

樹木の特性としては、常緑樹でありながらスッキリ系の樹形(トネリコ属の特性でもある)、葉は比較的小さく細長く光沢がある(スッキリ系の1つの条件でもある)、半日陰にも耐え幅広く使える、株立も簡単に手に入る、成長が早い、栽培が楽、安価、などをあげることができます。

要するに、常緑系でありながら、恰好が良くて、栽培が楽で、安い、という事。こう書けば人気の秘密、もうご理解願えたでしょう。欠陥といえば、成長が早いため樹形が乱れやすい、どこでもシマトネリコだらけ、と言った程度。樹形の乱れに関しては、3~4年に1回バッサリ船剪定すればOK(DIYでもOK)。普及率の高さに関しては、個性派・マニア向きの樹木ではなくなったといえるかもしれません。なお、次項では知られざるシマトネリコの側面を紹介!

そこで本日の一口アドバイス。

「常緑樹三羽烏と、その筆頭のシマトネリコとはどんな樹木?」

(みずき りょう)

29:株立

 

 

 

 

 

 

 

シマトネリコの樹形(株立)

29:葉

 

 

 

 

 

シマトネリコの葉

29:花

 

 

 

 

 

シマトネリコの花(6月下旬頃)

29:翼果(実)

 

 

 

 

 

 

シマトネリコの実(一見豆のような翼果がトネリコ属の特徴)