みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,310

 「現代住宅植栽考」 第30回・・・知られざるシマトネリコの素顔?

「ベールに包まれたシマトネリコ」

人気NO1シンボルツリー・シマトネリコとはどのような樹木であるのか、ご理解いただけたでしょうか。昨今、一戸建住宅の玄関先を見ても、マンションのエントランスを見ても、まさにシマトネリコだらけ。でも、その素顔(実態)を知る人は殆どいません。自生地の姿でさえ、資料に乏しく謎に包まれています。だからこそ、ご家族・ご近所の方に蘊蓄を述べるのも・・・ この項では、貴方を「シマトネリコ博士(チョット大袈裟ですが)」にします。

では、なぜ私たちはシマトネリコの素顔を知らないのでしょうか。それは、日本に自生しない熱帯・亜熱帯産の樹木(ただし、沖縄は例外)樹木であるからです。日本のトネリコが落葉樹であるにもかかわらず、シマトネリコが常緑樹である理由もそこにあります。ちょうど、ヤマボウシと常緑ヤマボウシの関係によく似ています。

注:熱帯・亜熱帯に落葉樹は、寒さ対策の必要が無いため殆ど存在しない。ただし、チーク・サルスベリのように、落葉するものもごく少数だがある。雨期・乾期の関係か?

シマトネリコでまず確認すべき事は、樹高15m以上の大木になると言う点。成長も早い。これは、トネリコ属共通の特性で、日本のトネリコ、西洋トネリコ等も同じです。従って、3〜4年に1回はバッサリと剪定した方が良いでしょう。ただし、枝が良く伸び、例え剪定時に不恰好になっても短期間で元に戻るため、DIYでも対応可能。

また、成長が早く大木となるため、熱帯・亜熱帯では木材としても使われています。建築材と言うよりは家具材として活用されることが多く、気乾(木材となった段階)比重は0.73〜0.80で、ハードウッドとまではいかないが、比較的重くて堅い木と言えます。家具向きと言う事はソリ・ヒネリ・ヒビワレ等が少ないと想定されますが、資料に乏しく確かな事は分かりません。

また、シマトネリコは沖縄方面の島にも自生しており、同地区では古くから身近な樹木でした。従って、沖縄本島ではウヌハカギー、石垣島ではジンギ、西表島ではコバナキと呼ばれるなど、多くの呼称を持っています。なお、日本ではタイワンシオジ、インドネシア・マレーシア産の場合はヨーロピアンアッシュなどと呼ばれることもあります。自生エリアが広い証拠とも言えるでしょう。

また、庭木にはセミが良く飛んでくるとの事。枝を切った時に少し甘い香りを発するため、その樹液を好むのでしょうか? さあ、シマトネリコの素顔、以上で多少はイメージしていただけるようになったでしょうか???

そこで本日の一口アドバイス。

「熱帯・亜熱帯からの贈り物・シマトネリコ。その素顔をもっと知ろう!」

(みずき りょう)

30:大木

 

 

 

 

 

 

シマトネリコの大木(樹高15m以上に成長)

30:トネリコの大木

 

 

 

 

 

日本のトネリコ(落葉樹)も大木に・・・

30:西洋トネリコの大木

 

 

 

 

 

西洋トネリコ(落葉樹)。やはり大木になる。

30:ジンギ(石垣島)

 

 

 

 

石垣島に自生するシマトネリコ(ジンギ)

 

 

KONICA MINOLTA DIGITAL CAMERA

KONICA MINOLTA DIGITAL CAMERA

 

 

 

 

 

 

シマトネリコの街路樹(沖縄)