みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,312

 「現代住宅植栽考」 第32回・・・「ハイノキ」人気急上昇中の秘密とは?

シンボルツリー・常緑樹三羽烏の最後に登場するのはハイノキ。普及率はまだ低いのですが、潜在人気はNO1ではないでしょうか。なぜなら、ネットにハイノキ情報を流すとヒット数が急上昇するなど、興味(あるいは憧れ)を持つ人が極めて多きと想定されるから。ではハイノキの正体とは? 人気の秘密とは?

ハイノキはカキノキ目ハイノキ科ハイノキ属の常緑高木ですが、樹高は4m程度でそれほど大きくなる樹木ではありません。学名は「Symplocos  coreana」。分布地は本州の近畿以西・四国・九州・南西諸島など、結構幅広く自生しています。ただ、九州から普及していった木と言うメージが強く、天然樹の個体数は九州が一番多いのではないでしょうか。

上記の分類を見ても、ハイノキはかなり固有性の強い樹木(グループ)と言えます。また、日本に自生する他のハイノキ属の樹木としては、クロキ、チチジマクロキ、クロバイ、サワフタギなどがありますが、何れも繁栄種では無く殆ど馴染みがありません。

樹木の特色としては、枝が細くしなやか、葉は細長く小さいく鋸状、4〜5月に白く可憐な花を咲かせる、成長が比較的遅い、日当〜半日陰まで対応可能だがあまり強烈な直射日光には弱い、比較的暖地を好む・・・などを上げることが出来ます。庭木として見た場合は、枝が細く葉も細かいため常緑樹の中では非常に樹形がスッキリしています。三羽烏の中でもスッキリ系NO1と言えるでしょう。勿論、人気急上昇中の理由もそこにあります。

栽培に関しては、極端に陽光が強い場所、寒冷地と言った状況を避ければ、それほど難しいものではありません。ただ、成長が遅いため過度の剪定は避けるべき。しかし、見方を変えれば管理が楽と言う事にもなり、どうしても見苦しくなった時だけ軽めの剪定をすると言った程度でOK。ただし、値段は高目でこれが普及率が急速に高くならない理由でしょうか?

ハイノキと言う名前の由来は、その灰が染色材の色を繊維に定着しやすくする、媒染剤になるため。元々木灰は媒染剤として良く使われますが、ハイノキの場合は一般の灰よりその効果が高いと言う事でしょう。同効果が樹名にまでなっている訳で、一昔前まではそれ程染色に多用されたと言う事でしょう。

以上で、常緑樹三羽烏の紹介を終えますが、彼等には共通点があることをもうお判りでしょう。そう、いずれもスッキリ系であると言う事。「落葉樹にはスッキリ系が多いが、常緑樹には少ない」と言うのが一般的見解。でも、冬姿が寂しい、落葉の掃除が大変、などの理由で常緑樹が良い。こんな意見が多く聞かれます。そんな時は、やはり三羽烏登場と言う事に・・・

そこで本日の一口アドバイス。

「常緑スッキリ系NO1・ハイノキ! 成長が遅く管理も楽だが、やや高値!」

(みずき りょう)

32:ハイノキ株立

 

 

 

 

 

 

 

ハイノキ(株立):枝が細く葉も小さい

 

32:花と葉

 

 

 

 

 

ハイノキの花(4〜5月)と葉

 

32:ハイノキ&ソヨゴ

 

 

 

 

 

手前・ハイノキ、後・ソヨゴ:やっぱりハイノキの方が繊細?

 

32:サワフタギ

 

 

 

 

 

サワフタギ(ハイノキ属)