みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,314

 「現代住宅植栽考」 第34回・・・「ヤマボウシ」とその仲間たち②?

この項からはシンボルツリーとして人気のヤマボウシの仲間を紹介。まずはハナミズキを取り上げます。

「アメリカからの贈り物・ハナミズキ」

ハナミズキは北米原産の樹木で、ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木。学名は「Benthamidia flrida」。以上により、ヤマボウシと極めて近い間柄(同じヤマボウシ亜属、別名:アメリカヤマボウシ)、北米の比較的暖かい地域に多く同地域では代表的存在の樹木(学名が「florida(フロリダ)」)・・・と言った事が分かります。

実は、ハナミズキにはその特性以上に、重要なエピソードがあります。<1912年に日本が友好のためアメリカ・ワシントンにソメイヨシノを送り(現在もポトマック湖畔等で花見の名所となっていることは周知の通り)、1915年にその返礼として贈られて来たのがハナミズキ>と言うもの(日本を代表するソメイヨシノの返礼であり、当然、ハナミズキもアメリカの代表的樹木)。

そして、ソメイヨシノがアメリカにすっかり定着したように、ハナミズキも今では日本で代表的な植栽用樹木となり、公園・街路・住宅などで主役的地位を占めるようになったことは周知の通り。20年以上前には、値段が高いと言う難題がありましたが、現在では大量育苗され、誰もが手軽に入手出来るようにもなりました。

では、ハナミズキの特徴と、ヤマボウシとの相違について確認しておきます。まず特徴としては、赤・白花がありより花が艶やか、ただし花のように見えるのは総包(花を包む葉・ミズキ属の特徴)、花期は5月中旬〜後半、株立ちが無い、炭疽病などに侵される危険性がある・・・などを上げることが出来ます。

続いて上記を参考にヤマボウシとの相違。花期が異なる(ヤマボウシの方が少し遅い)、ハナミズキは花が先行するがヤマボウシは葉が出てから花が咲く、両者ともに赤い実を付けるがハナミズキは光沢がありヤマボウシは筋があり無光沢(ハナミズキは食用にならないが、ヤマボウシは食用になる)、両者とも樹皮に多くのヒビワレがあるがハナミズキの方がより細かい・・・などが主な点。従って、花・実の時期であれば両者の見分けは簡単。それ以外の季節では判別はやや困難ですが、樹皮等により区別できます。

では、シンボルツリーとしてはどちらがお勧め? 勿論、個人の趣味により異なるので応える事は不可能。ただ、より艶やかさを好むか、装飾性の強い外構・ガーデンにはハナミズキ、シンプルでモダンな外構・ガーデンには清楚で株立ちがあるヤマボウシ向きと言えるかも知れません。

そこで本日の一口アドバイス。

「艶やかさのハナミズキ・清楚さのヤマボウシ。両社とも超人気シンボルツリー!」

(みずき りょう)

34:樹形

 

 

 

 

ハナミズキの樹形

34:赤花

 

 

 

 

赤花(実は総包)

34:白花

 

 

 

 

 

白花

34:実際の花

 

 

 

 

 

 

これハナミズキの本当の花

34:実

 

 

 

 

 

実(食用にはならない)

34:葉

 

 

 

 

葉(ヤマボウシとよく似ている)

34:樹皮

 

 

 

 

 

 

樹皮(細かなヒビワレ特徴)