みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,317

 「現代住宅植栽考」 第37回・・・オーソドックス派のシャラ・エゴ②!

シンボルツリーの人気種。2つ目の落葉オーソドックス派としてこの項では「エゴノキ」を取り上げます。

「なぜか中途半端?・エゴノキ」

エゴノキはツツジ目エゴノキ科エゴノキ属の落葉高木で、北海道〜九州・沖縄と非常に幅広い地域の雑木林に主に自生しています。つまり、「どのエリアでも庭木として、最も育てやすい樹木の一つ」と言えるでしょう。ただし、分類を見ても分かるように、比較的仲間の少ない孤独?な樹木でもあります。

少し、エゴノキに比較的近い樹木分布にこだわってみましょう。エゴノキ科の植物は北半球の温帯〜亜熱帯に広く分布し、11〜12属120〜170種があるとされています。そのうち日本には2属5種が自生しているとの事。この分類を見ても分かるように、日本では比較的近縁種が少ない独立性の高い樹木でもあります。学名は「Styrax(エゴノキ属) japonica」。つまり、エゴノキ=エゴノキ属の日本代表。そんなイメージでしょうか。

樹木の特色としては、葉は楕円形で比較的小さい、樹皮は木目細かく滑らか、樹形は比較的スッキリ、5月頃に白い可憐な花を咲かせる、薄緑色の実を付ける・・・などを上げることが出来ます。つまり、スッキリ系樹形で、花も、実も楽しめると言う次第。シンボルツリー用樹木として長い間人気を維持している理由がそこにあるわけですが、なぜかNO1にはならない。欠陥は無いが際立った特色も無い。そんなイメージがあります。エゴノキはどこにでも植えられていますが、意外にその名を答えられる人は少ないのでは・・・

ただ、古くから慣れ親しんだ樹木であるため、様々なエピソードも。まず名前の由来ですが、果実にはエゴサポニンと言う成分があり、口に含むとエグミがあるため。昔はその毒性を利用して魚の捕獲に使ったと言った伝えも。ただし、含有量が少ないため、効果を疑問視する見解もあります。

また、エゴノキはチシャノキorチサノキなどとも呼ばれ、伊達騒動を歌舞伎演目にした「伽羅先代萩」に登場するチサノキ=エゴノキであったとの事(Wikipedia)。ただ、一般的にチシャノキ(萵苣の木)と呼ばれている樹木はムラサキ科の落葉高木でまったくの別種。前出の「伽羅先代萩」登場樹木も筆者はこちらと勘違いしていました。

余談ですが、ものすごく暇な人は、エゴノキの実を口に含み(少量にする事)どの程度のエグミがあるか、大量にその実を集め魚が捕獲できるか、試してみては・・・

そこで本日の一口アドバイス。

「長所はいっぱいあるのに、なぜかNO1になれないエゴノキ・・・これ誤解?」

(みずき りょう)

37:樹形

 

 

 

 

 

 

エゴノキの樹形(株立)

37:樹形2

 

 

 

 

 

花を咲かせたエゴノキ

37:花と葉

 

 

 

 

 

花と葉

37:実

 

 

 

 

 

 

実(エゴサポニンと言う成分を含む)

37:幹

 

 

 

 

 

幹(樹皮は木目細かく滑らか)