りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,319
「現代住宅植栽考」 第39回・・・樹形ベスト2=カツラ・アオダモ②!
スッキリ樹形の落葉樹ベスト2。カツラに続いてはアオダモの頂上です。
「トネリコ属だから?・アオダモ」
アオダモ(青梻)はモクセイ科トネリコ属の落葉高木で、コバトネリコ、アオタゴと言った別名で呼ばれることもあります。分布エリアは、北海道〜九州と日本のほぼ全域(主に山地)と、南千島・朝鮮半島など。学名は「Fraxinus(トネリコ属) lanuginosa f.serrata」。つまり、正確にはごく近い品種が複数あり、そのうちの一形態をアオダモと呼ぶようですが、学術的に見て限定された植物を庭木・アオダモとして使っているのか、ある程度幅広くアバウトに使っているのかは不明。
注:学名「lanuginosa」の中に、前出の「f.serrata」=アオダモ、他に「f.logicuspis」=ヤマトアオダモ、「F.sieboldiana」=マルバアオダモ、「F.apertisquamifera」=ミヤマアオダモ、などがあるが、相違の詳細不明。
アオダモの特色としては、樹高10~15m×幹の直系50㎝程度にまで成長する、ただし成長スピードは遅い、成長すると樹皮に地衣類が付着し斑点模様が出来る、葉は対生し薄く柔らかい、同先の尖った楕円形で10~15㎝、春先に白い花を群開させる、秋に翼果を付ける、樹形がスッキリしている・・・などを上げることが出来ます。
ここまで記述すればもうお気付きとは思いますが、同じトネリコ属であるた紹介済みのシマトネリコとよく似た面を多数持っていると言う事。ただし、アオダモは落葉樹であるため、葉がより柔らかくしかも別名(コバトネリコ)の通り小さいため、樹形はさらに繊細。この点が、近年より人気が上昇しつつある最大の理由とも言えます。
また、庭木だけではなく、アオダモは古くから多様な使い方をされてきた貴重な樹木でもあります。その1つ目の理由は、木材にした場合材質が硬く弾力性があるため。具体的には、木製バットの材料、スキー板、テニスのラケットなどに多用されました。スキー板、テニスのラケットに関しては、科学の発展により、グラスファイバー、カーボンなどに変わりましたが、プロ野球の世界では現在も使われている事は周知の通り。
2つ目は樹皮に含まれる成分。緑青色を帯びていますが、アオダモの枝を水に浸しておくと青い蛍光色となります。この色素を書道用の墨に加えると特有の澄んだ黒となるため着色添加剤として使われます。また、青色の染料にも使われます。
ただし、既に提示の通りアオダモは成長が遅く成木が激減し、その再生運動が各地で展開されています。庭木として楽しむと同時に、この面にも関心を持ちたいものです。
そこで本日の一口アドバイス。
「アオダモのスッキリ樹形。その原点はトネリコ属であると言う事。お忘れなく!」
(みずき りょう)
アオダモ(株立)
花と葉
翼果(トネリコ属共通の特徴)
幹
自生するアオダモ(個体の減少が深刻)