みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,321

 「現代住宅植栽考」 第41回・・・魅力一杯、ナンテンとその仲間達①!

人気&お勧めのシンボルツリー紹介を終えました。続いては、少し地味ではありますが中・低木にスポットをあてます。と言っても、庭木として使われる中・低木はシンボルツリー以上に多種多用。従って、テーマである現代住宅事情に会わせ、徹底的に絞り込み紹介していきます。まずは、最も使い勝手の良い中・低木のグループ・ナンテンの仲間から・・・

「本家本元・ナンテン」

ナンテンの仲間と言っても実は2系統に分かれます。1つ目は、文字通りナンテンの仲間。1つ目は、ヒイラギナンテンの仲間です。まずは、本家のナンテンから。

ナンテン(南天)はメギ科ナンテン属の常緑低木で、樹高は一般的には2m程度。ただし、4〜5mにまで育つこともあります。学名は「Nandia(ナンテン属) domestica」。原産地は中国で、日本では西日本・四国・九州に自生しています。ただし、古くに輸入したものが野生化したものと考えられています。

樹高以外の特色としては、葉は互生し先の尖った楕円形で小さく柔らかい、6月頃に白く小さな花を咲かす、赤い実が成り長く楽しめる、株立ちになりやすい・・・などを上げることが出来ます。

ナンテンは古くから庭木ああ(中・低木)として多用されています。あまり大きくならず育てやすいと言った実用面に加え、縁起物として有名になったためで、ナンテンの発音が「難を転じる」に通じると言う語呂合わせは有名。このため、鬼門(丑寅≒北東)、裏鬼門(未申≒南西)、トイレ周辺等に良く植えられました。昔ほどではないにしても、何か問題がある場所にはナンテンを植えると言った習慣は今も残っています。

また、葉は「南天葉」と言う漢方薬でもあり、胃・解熱・咳などの薬として使われます。これは、シアン化水素(HCN)と言う猛毒成分が含まれるため。ただし、微量であり余程濃縮しない限り人体に悪影響は無いとの事。重箱などにもナンテンの葉が入れられますが、これは外見上だけの問題では無く、毒性を活かした殺菌効果によるもの。また、赤い実にも複数のアルカロイド(有毒物質)が含まれているため、わざわざ口に含むようなことは避けるべきでしょう。

最後に面白い言い伝えを。ナンテンの実は生け花の中でもたいていは最後まで残っています。このため、宴会の席で最後まで残っている連中の事を「ナンテン組」と言う地方もあるとか。貴方も心当たりがある場合は、そう言われないように早目の退散を心がけましょう。

そこで本日の一口アドバイス。

「難を転じて福となす+使い勝手も良好なナンテンを中・低木として・・・」

(みずき りょう)

41:樹形

 

 

 

 

 

 

ナンテンの樹形(株立になる)

41:花

 

 

 

 

 

 

6月頃に白い花を咲かせる

41:実と葉

 

 

 

 

 

葉と実(赤い実を永く楽しめる)

41:若い幹と枝

 

 

 

 

 

若木の幹と枝