みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,332

 「現代住宅植栽考」 第52回・・・生垣の新御三家&+αとは③?

生垣の新御三家を紹介中。この項では、プリペット、ボックスウッドに続きレッドロビンを取り上げます。ただし、新御三家の1つとは言いながら、前2者と比較するとやや先輩(と言うか、少し前の主役)イメージが強く、「和」感覚が強い事も最近ではマイナスに?

「春の強烈な赤・レッドロビン」

レッドロビン(ベニカナメモチ)はバラ科カナメモチ属の常緑小高木。学名は「Photinia(カナメモチ属) glaber(カナメモチ)×serrulata(オオカナメモチ)」となります。つまり、カナメモチとオオカナメモチを掛けあわせた交配種であると言う事。カナメモチは本州中部以西(南)の照葉樹林に広く分布。オオカナメモチは中国〜台湾~東南アジア、それに日本の一部(南西諸島、等)に分布しており、より暖かいエリアを好む樹木と言うことが出来るでしょう。

カナメモチ属の特徴は、何と言っても新芽が赤く美しい事この他の特色としては、樹高は3〜10m(種類によって多少差がある)程度、葉は5〜10㎝で楕円形、ヘリは鋸状で柄は短い、5月頃に白花を開花(それ程目立つものでは無い)、赤い実を付ける、木材は硬く器具類の柄として良く使う、育てやすく刈込に強い・・・などを上げることが出来ます。庭木として見た場合は、新芽が美しく、丈夫で葉が密生し刈込に強いので、生垣用として多用されてきました。ただし、前述したように、近年その人気はやや下降ぎみ。

レッドロビンは当然の事ながら、より新芽の赤が美しく、かつ育てやすい樹木として開発されたもの。そして、カナメモチは葉柄に鋸葉の痕跡が残るが、レッドロビンにはそれが無く識別可能とされています。ただし、現実には余程詳しい人にしか見分ける事は困難なうえ、資料に使われている写真等にはかなり誤りも多い。このため、実際には新芽の赤色が強い植物をレッドロビン、やや小ぶりで赤色の薄い植物をカナメモチとして、漠然と扱われているのが現状でしょう。

なお、カナメモチと言う名前は「モチノキに似ており、その材が扇の要に良く使われた」ことから付けられました。従って、「カナメ」とは赤をイメージするものではありません。また、モチノキに似ていると言っても(実際にはあまり似ているとは思わないが)、分類コーナーで提示の通りバラ科の植物で、モチノキとは全くの別種。ネズミモチ(モクセイ科でモチノキとは無関係)などと同様で、誤解の無いように・・・

そこで本日の一口アドバイス。

「新芽が赤く染まり、一時期は<生垣人気NO1>であったのだが・・・レッドロビン」

(みずき りょう)

52:生垣(春)

 

 

 

 

 

レッドロビンの生垣(春)

52:生垣(夏)

 

 

 

 

 

 

レッドロビンの生垣(夏)

52:新芽

 

 

 

 

 

 

新芽

52:花と葉

 

 

 

 

 

 

花と葉

52:実

 

 

 

 

 

 

 

 

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA   カナメモチ

52:オオカナメモチ

オオカナメモチ