みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,334

 「現代住宅植栽考」 第54回・・・知っておきたい「芝生」の真実①!

「現代住宅植栽考」シリーズは、タイトル通り近年の住宅事情に合わせた植栽の現状を知り、最適活用方法を模索するもの。そして、樹木に関してほぼ語り終えました。続いては、同じ視点から草花(グランドカバー)について考えて見たいと思います。

では、グランドカバーの定義とは? これが意外に難しい。植栽用の草花(一部樹木も含む)の事に違いは無いのですが、「地を這う(地面を覆い隠す)ように植える草花」と言う狭義の解釈、「コンテナ(鉢・プランター、等)植物以外の草花全て」と言う広義の解釈など、時によって使い分けているからです。どちらが正解とは言えませんが、このコーナーでは、後者を解釈を採用します。ただし、樹木同様に、グランドカバーも無限と言えるほど多種多様。従って、ここでも使用方法別に人気種・お勧め草花に絞り込み提示していく事にします。

まずは、グランドカバーの元祖であり、王者でもある芝生について。ただし、芝生は非常に身近であるにもかかわらず、その全貌を纏めた資料は意外に少ない(資料がバラバラ)ため、このコーナーだけは少し詳しく多角的に検証しておきます。

「芝生って何だ?・芝生①」

そもそも芝生と言うのは何を指すのでしょうか。身近で何となく使っていますが、この問いに答えられる人は殆どいないでしょう。そこで答え。芝生とは、「マット状に地面に敷き詰め(植え)るイネ科多年草の総称」です。従って、対照植物の幅がかなり広く、芝生全体の学名を提示するとすれば「poaseae(イネ科)」としか表示しようがありません。

では、芝生はガーデン用としていつから使われていたのでしょうか。それを正確に答える事は困難ですが、日本の場合、少なくとも平安時代にまで遡れることは間違いありません。理由は、同時代に著され、日本最古の作庭書と言われる「作庭記」に芝生が登場するからです。つまり、日本庭園ではその発展過程の殆どの時代で芝生が使われて来たと言う事。現在と同じような使い方か否かは判然としませんが、「明治以降に欧米の庭園文化が伝わり、その影響で日本庭園でも芝生が普及した」と考えるのは明らかな間違いです。

欧米に関しては、原点となる「ペルシャ式庭園」でも芝生が使われていたかは、筆者の知識範囲では不明。しかし、少なくとも、そこから派生したヨーロッパ庭園のでは、最も古い「露段式庭園(イタリア式)」には間違いなく芝生が使用されていました。その後の、「平面幾何学式庭園(フランス式)」「風景式庭園(イギリス式)」では当然の事、「芝生はグランドカバーの元祖(原点)」と言っても過言ではないでしょう。

そこで本日の一口アドバイス。

「マット状グランドカバーの元祖・芝生。日本では平安時代から使用!」

(みずき りょう)

54:東三条殿

 

 

 

 

 

「寝殿造庭園(平安時代)」にも芝生が使われていた

54:露段式庭園

 

 

 

 

 

ヨーロッパ庭園の元祖「露段式(イタリア式)」にも芝生が・・・

54:平面幾何学式庭園

 

 

 

 

 

「平面幾何学式庭園(フランス式)」

54:風景式庭園

 

 

 

 

「風景式庭園(イギリス式)」