みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,335

 「現代住宅植栽考」 第55回・・・知っておきたい「芝生」の真実②!

「芝生とは何か」「芝生の歴史」について確認しました。続いてこの項では、芝生の種類とそれぞれの特徴について検証します。

「芝生の種類と特性・芝生②」

芝生はまず、日本芝と西洋芝に大別されます。そして日本芝とは我が国に自生している芝生の事で、生育環境が適しているため、一般的にはこの芝生を使います。もう少し具体的に言うと、気温23〜35°Cで成長する、いわゆる「夏型芝」で、23°C以下になると成長が止まり、さらに低温になると地表部は枯れる宿根草です。

また、日本芝は栄養体繁殖(マットなどの張芝)が基本である事も特色の1つ。これは、ランナーを伸ばし繁殖する為、芝生マットなどを並べておくと、やがてマット間の隙間が無くなり、美しい芝生グランドとなるため。

続いて、実際に使う日本芝の主要品種とそれぞれの特色を下記に提示しておきます。

「ノシバ(野芝)」・・・単に芝生と提示されている場合はノシバを指します。山芝・地芝・砂芝などの別名も。北海道北部以外の日本全土に自生しており、最も育てやすい芝生です。草丈は10㎝以上で、葉幅も4㎜程度。従って、芝生類としては比較的大型で、生命力が強いため、アスファルトの隙間などから顔を出している芝生はノシバが主体。

風合い的な特徴は、葉が硬く触れるとチクチクする感覚。また、ランナーの伸び方が荒く、美しいマット状にはなりにくい。このため、住宅用には不向きとも言えます。逆に、日本庭園の築山・野筋などには適していると言って良いでしょう。

「コウライシバ(高麗芝)」・・・本高麗とも呼ぶ。本州・四国・九州と幅広いエリアに分布。生育最適温度は30°Cと高く、若干寒さに弱い。草丈7〜8㎝・葉長11㎝弱・葉幅2.7〜3.2㎜で、ノシバと比較すると細くしなやかな感覚。実際に緻密なマット状に広がり、風合いも柔らかい。このため、住宅、公園、ゴルフ場などで使われる芝生の主流となっています。

「ヒメコウライシバ(姫高麗芝)」・・・コウライシバの系統で、さらにキメ細かな感じ。このため、ゴルフ場のグリーンなどによく使われる。

「ビロードシバ」・・・ヒメコウライシバよりさらに繊細。従って、グラウンド用と言うよりは観賞用として使われる。

「TM-9(ティーエムナイン)」・・・トヨタ自動車の開発園芸種。従って、日本芝のグループに入れる事には無理がありますが、最近急速に普及している品種であり、このコーナーで記載。横への広がりはコウライシバ並だが、葉長は半分以下(5㎝程度)。従って、芝刈回数が少なくて済む(開発の主目的も芝刈回数を減らす事)。

そこで本日の一口アドバイス。

「日本には気候的に適合して日本芝が最適。その主役がコウライシバ!」

(みずき りょう)

55:POT苗

 

 

 

 

 

 

POT苗

55:マット苗

 

 

 

 

マット苗

55:ノシバ

 

 

 

 

 

 

ノシバ:やや粗い感じ

55:コウライシバ

 

 

 

 

コウライシバ:細くしなやか

55:TM9

 

 

 

 

 

TM9:葉丈が短く芝刈回数が少なくて済む