りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,340
「現代住宅植栽考」 第60回・・・匍匐性グランドカバー推奨5種③!
地を這うタイプの推奨グランドカバー5種を紹介中。今回はリシマキアを取り上げます。ただし、私たちがイメージする草花(リシマキア)に関しては若干の勘違いも。
「超大家族・リシマキア」
私たちが一般にリシマキアと呼んでいるのは、膨大な家族の中の一種リシマキア・ヌンムラリアの事。園芸用草花の場合は属名=流通名とする場合が少なくなく、一見大きな問題は無いように思います。ただし、リシマキアの場合は例外。なぜなら、同属草花は北半球全般〜南半球の一部にまで分布し約200種に及ぶ超大家族で、一見別系統とも思える草花まで含まれてしまうからです。従って、通常リシマキアと呼んでいるグランドカバーの場合は、前述のごとくリシマキア・ヌンムラリアと種名まで明記すべきでしょう。なお、この属の草花は日本にもオカトラノオ(写真参照)、クサレダマなど15種が自生しています。
上記を参考にリシマキア・ヌンムラリアの分類を確認しておくと、サクラソウ科オカトラノオ属ヌンムラリア(種)となります。従って学名は「Lysimachia(オカトラノオ属) nummularia」となります。
ヌンムラリアに関しては、ヨーロッパ原産の匍匐性多年草、丸く小さく光沢のある葉が美しい、5〜6月に黄色い花を群開する、グランドカバー・ハンギング植物として多用、葉に黄色味を帯びたものが人気(ヌンムラリアオーレア)、比較的高い湿気を好み水草的扱いをする事もある・・・などを上げることが出来ます。
また、オカトラノオ属(リシマキア属)の草花は大家族であるだけに、ヌンムラリア以外にも園芸植物として流通しているものも少なくありません。以下にその代表4種をピックアップ(写真参照)しておきます。
リシマキア・コンゲンスティフロラ=中国・アジア原産。4〜6月にムンムラリアより大きい濃い黄色の花を房状に咲かせる。グランドカバー・鉢植えなどとして流通。
リシマキア・キリアタ=北米原産。70〜80㎝と草丈が比較的高い。6〜8月に黄色い星型の花を下向きに咲かせる。葉は艶が無く赤みを帯び陽当たりが良いと発色が良くなる。従って、カラーリーフとして使われることもある。
リシマキア・プンクタタ=ヨーロッパ・西アジア原産。草丈は50㎝前後。6〜8月の黄色い小花を群開。直立性で花も上を向いて伸びる。アレキサンダーと言う園芸斑入り種もある。
リシマキア・オカトラノオ=日本・朝鮮半島・中国・インドシナ半島などに自生。草丈は60〜90㎝。直立タイプで葉の先端部分に白い小さな花を群開する。その花は稲穂のように垂れ下がる(虎の尾のような形)。
そこで本日の一口アドバイス。
「リシマキアは超大家族。匍匐性グランドカバーとして使うのはヌンムラリア!」
(みずき りょう)
リシマキア・ヌンムラリア
ヌンムラリアの花と葉
コンゲンスティフロラ
キリアタ
プンクタタ
オカトラノオ