みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ」・・・NO2,341

 「現代住宅植栽考」 第61回・・・匍匐性グランドカバー推奨5種④!

地面を這うように広がるタイプのグランドカバーを紹介中。第4番目に登場するのは、特に和風にピッタリのタマリュウとその仲間達。果たしてその本当の姿とは。

「和製グランドカバーNO1・タマリュウ」

グランドカバーとして最も多用されるのはタマリュウ(玉竜)。従って、コーナー名もタマリュウとしましたが、基本種はジャノヒゲ(蛇の髭、別名:リュウノヒゲ)であるため、分類表示はジャノヒゲで行います。

ジャノヒゲはキジカクシ科ジャノヒゲ属の常緑多年草。分布エリアは日本、朝鮮半島、中国、フィリピン、等。学名は「Ophiopogon(ジャノヒゲ属) jyaponicus)」でこの名前を見ても、日本とのかかわりが深い草花であることが分かります。名前の由来は、葉が細長く蛇(竜)の髭に似ているため。ただし、昔はジョウノヒゲと呼ばれていて、このジョウとは能の翁面の事で、その髭に似ていたためこの名前が付けられ、それが訛ってジャノヒゲに変化したと言われています。2つの経路が合体し、いつの間にか蛇(竜)の髭に似ているからジャノヒゲ・リュウニヒゲと言う解釈が定着したと言う事でしょうか?

なお、ジャノヒゲはユリ科と表示されている資料も珍しくありません。そして、ユリ科=キジカクシ科とする解釈もあります。しかし、ユリ科・キジカクシ科の定義はかなり難しく、別グループとする説もあり、ここではあくまでもユリ科では無く、キジカクシ科の植物としておきます。

ジャノヒゲの特色としては、長さ10㎝程の細長い葉を地際から多数出す、その葉には光沢があり美しい、7〜8月に薄紫色に小さな花を咲かせる、冬にはブルーの実を着け観賞価値が高い、日陰でも育つ、剛健種で多少の踏み付けにも耐える・・・など。このような特性を活かし、古くから下草(グランドカバー)として多用されてきたことは周知の通りです。また、ジャノヒゲの近縁種(園芸種を含む)も良く使われるため、その主なものを下記に提示しておきます。

タマリュウ・・・ジャノヒゲの葉の長さが短いタイプ。管理が楽であるため、最近はタマリュウの使用頻度の方が高い。このため、代表種がタマリュウであるかのような印象が強い。

ハクリュウ・・・ジャノヒゲの白斑入り種

コクリュウ・・・葉の色が黒味を帯びるタイプ。ただし、コクリュウの基本種はジャノヒゲでは無く、より大きな個体のオオバジャノヒゲ(葉の長さ30㎝程度)とされている。

タマリュウとその仲間は、一昔前まで匍匐性グランドカバーの代名詞的な存在でした。と言うより、芝生以外ならどこでもタマリュウと言った印象さえありました。優れたグランドカバーではありますが、そのような使い方は避けるべきである事もお忘れなく!

そこで本日の一口アドバイス。

「早く<どこでもタマリュウ>から卒業を! そして最適な活用方法を!」

(みずき りょう)

61:タマリュウ

 

 

 

 

 

タマリュウ(ジャノヒゲの葉が短いタイプ)

61:花と葉

 

 

 

 

 

葉と花

61:実

 

 

 

 

 

青い実

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 基本種:ジャノヒゲ(タマリュウより葉が長い)

61:ハクリュウ

ハクリュウ(白斑入り種)

61:コクリュウ

コクリュウ