みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ・・・NO2,273

「天然素材の魅力」第6回・・・評価が分かれる「アマゾンジャラ」?

<身近なのに謎だらけの「アマゾンジャラ」>

日本である程度使用実績のある南米産「ハードウッド類」を紹介中。「イペ」に続きこの項では「アマゾンジャラ」を取り上げます。

「アマゾンジャラ」に関する資料:産地=南米(主にアマゾン川流域)。分類=アカテツ科マルニカラ属<学名=Manikkara(マルニカラ属)spp(特定できない。つまり、マルニカラ属の複数の樹木が「アマゾンジャラ」として販売されていると言う事であろう)。気乾比重=1.1前後。屋外対応年数=20〜25年。

「アマゾンジャラ」は比較的日本での使用実績の多い「ハードウッド」です。その反面、謎の部分が多く評価も分かれます。ただし、比較的品質の良い「ハードウッド」で有ることは間違いなく、値段も手頃・安定供給可能と言った事情もプラス要因となり、広く普及していると判断して良いでしょう。なお、屋外対応年数に関しては、表記にバラツキはあるものの、20〜25年程度と考えてまず間違いは無く、あくまで筆者の見解ですが、1位「ウリン」・2位「イペ」に続く3位程度と判断して良いでしょう。

では、なぜ評価が分かれるのでしょうか。最大の要因は、ソリ・ヒネリに関するもの。「ウリン」「イペ」よりは間違いなくソリ・ヒネリが大きいのですが、この点を重大な問題とする人と、大した問題ではないとする人に分かれるからでしょう。勿論、施工方法、使用場所によっても影響力は異なります。

その他の特色としては、樹高40m以上・幹幅1m以上の大木となる。このため、比較的均質な材を確保しやすい、色はチョコレート系(日焼けし施工後さらに黒っぽくなり、その後グレー系に変化)。「ハードウッド類」としては比較的木肌が細かい。などを上げる事が出来ます。

では、上記のようなデータがあるのに何故謎だらけの木材なのでしょうか。もとを正せば「アマゾンジャラ」と言う名前自体にあります。日本に紹介された「ハードウッド」の草分けの一つが「ジャラ」(オーストラリア産で「ユーカリ」の仲間。ただし、あまり高品質とは言えない)で、この名前を借用し<アマゾンに産するジャラ>と言う事でこの商品名(流通名)が付けられました。

このため、本当はどのような樹木か謎に包まれてしまった訳です。実際には上記の通り、アカテツ科マルニカラ属の樹木であった訳ですが、それでも「マサランドゥーバ」(地域名なのか学名なのか不明)と言う特定種を指す場合、マルニカラ属全般に及ぶ複数種が混在している場合など様々。現に、日本でも「アマゾンジャラ」「マサランドゥーバ」「マルニカラ」「カンドーレ」など様々な名称が使われています。

そこで本日の一口アドバイス。

「日本人の無責任さが謎を作り出したアマゾンジャラ・・・反省!」

(みずき りょう)

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樹木「アマゾンジャラ」(マサランドゥーバ)

12:原木

 

 

 

 

 

 

 

「アマゾンジャラ」の原木(大型の原木が多い)

12:角材

 

 

 

 

 

 

 

「アマゾンジャラ」の角材

12:板材

 

 

 

 

 

「アマゾンジャラ」の板材

 

12:アカテツ

 

 

 

 

 

 

 

「アマゾンジャラ」の仲間「アカテツ」の樹