みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ・・・NO2,288

「天然素材の魅力」第21回・・・現代の「敷石」その代表的素材②!

板石を敷き詰めるタイプの「敷石」用で、現代住宅に多用される石材を紹介中。「御影石」に続いてこの項では「大谷石」を取り上げます。ただし、「大谷石」最大の使い方は「積石」(塀・壁用)。しかしながら、用途拡大のため、近年は「敷石」用などの板材も多数販売されるようになっています<欠陥も(後述)>・・・

「大谷石」・・・「大谷石」=栃木県宇都宮市北西部の大谷町付近で採掘される「凝灰岩」(「凝灰岩」=火山灰が堆積し固まったもの。石質は軟質のもの〜比較的硬質のものまで様々<「大谷石」は軟質系で「軽石凝灰岩」とも呼ばれる>)。凝灰岩は国内外で多数産出するが、「大谷石」は埋蔵量・出荷量とも圧倒的に多く、「凝灰岩」系の石材では知名度も圧倒的。石質は柔らかく、加工性に優れる一方、凍結融解・風化等に弱く耐久性が課題。ただし、熱変成に強い。

国内産出の主要「凝灰岩」(「大谷石」以外)・・・「札幌軟石(北海道)」「十和田石(秋田県)」「松島石(宮城県)」「日華(にっか)石(石川県)」「笏谷(しゃくだに)石(福井県)」「伊豆青石(静岡県)」「竜山(たつやま)石(兵庫県)」など。

「大谷石」は前述のごとく、宇都宮市内の大谷地区で産出されるたこの名前が付きました。埋蔵量が極めて多く(無尽蔵とも)、関東という大市場を近郊に抱えていたため、日本を代表する石材となりました。昔は、塀材・壁材(蔵など)として多用されましたが、建築・外構の工法が多様化したため、出荷量は激減しており、このため新しい用途開発にもチャレンジしています。その代表的なものが板石で、「敷石」「貼石」などとして使用されています。また、「御影石」などと異なり<熱に強い>ため、ピザ窯用、バーベキュー炉用などとしても使われています。

ただし、「軽石凝灰岩」とも呼ばれるグループに属し、凍結融解・風化などの劣化が激しく問題にもなっています。だからこそ、使用方法・メンテナンスには注意する必要があります。特に、最も厳しい条件にさらされる、屋外の水平面での使用はお勧めとは言えません。従って、屋根材、今回対象とした「敷石」等に関しては<あまり適切な石材では無い>と言わざるを得ません。

その一方で、自然観のある風合い、滑りにくい、加工が簡単(様々な形状が選べる)、などの長所もあります。従って、<大きなヒビワレ・剥離などの劣化があった場合は取り換える>と言ったことを前提として使ってみるのも、一つの方法かもしれません。

そこで本日の一口アドバイス。

「敷石としては欠陥が多い<大谷石>。でも、長所を活かし大胆に使うのも・・・」

(みずき りょう)

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「大谷石」の採掘現場跡。巨大な地下空間が残っている。現在は、観光・イベント会場などとしても活用。

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貯石場の「大谷石」

 

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「大谷石」の塀(最も主要な用途)

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「大谷石」の「敷石」(劣化が激しいので要注意!)

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「大谷石」の「ピザ窯」&「バーベキュー炉」