みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ

 

りょうさんの:ほぼ毎日、エクステリア&ガーデンメモ・・・NO2,996

「天然素材の魅力」第29回・・・忘れたくない貼石「玄昌石」!

現代住宅によく使われる「貼石」を紹介中。この項で紹介するのは「玄昌石」。ただし、<良く使われる>ではなく<復活させるべき>石材として取り上げます。

<無尽蔵の埋蔵量+多くの魅力=「玄昌石」>

「玄昌石」=三陸地方で産出する「黒色粘板岩」。ただし、輸入物を含め粘板岩の板石全般を「玄昌石」と呼ぶ事もある。薄く剥がれる性質を持ち、このためタイル状の板石として加工されることが多い。硬質・吸水率が低い・光沢のある真黒色・無尽蔵とも言われる埋蔵量・・・などの特性を持つ。

「粘板岩」=粘土質の土が堆積し出来た岩石。世界各地で産出。微量性質の相違で色に変化(ただし、濃色のものが殆ど)。薄く剥がれる性質を持つものが多い。

「スレート」=粘板岩の石磐。屋根材として使われることが多かったため、天然石の屋根材の事を「スレートorスレート屋根」と呼ぶ。このため、「スレート」=「天然石屋根」と言った解釈も・・・

「玄昌石」は「貼石」として多くの魅力を持っています。硬質で吸水率も低い(寒冷地でも使用可能、耐久性に優れる、汚れにくく、コケ等も生えにくい)、光沢のある真黒色&特有の石肌(モダン系の建物等にピッタリ)、剥離性を活かした精度の高い板石(施工がしやすい。特に、方形貼向き)・・・等々。しかも、東北の三陸地方からほぼ無尽蔵に産出すると言うメリットも持っています。

にもかかわらず、使用量が激減し現在危機的状況にあります。その最大の理由は、エクステリアではなく屋根材の変化。つまり、昔は高品質の屋根材として大量使用だれましたが、様々な商品の開発が進み、殆ど使われなくなったと言う事。

過去「玄昌石」の採掘・販売企業はかなり大きな規模を持っていました。加えて、エクステリアで使用される量も他の輸入石材に押され減少しています。このため、採掘・販売企業そのものが危機的状況に至りました。従って、本来はローコストで入手可能であったものが、近年では安定供給(確保)自体も疑問が。

ただし、モダン系が主力となっている現代の住宅に関しては、より「玄昌石」の魅力がアップしているのも事実。ただし、一度「ソルンフォーヘン」や「石英岩」、「インド砂岩」などが大量使用され、それに慣れてしまうと、ダウンした「玄昌石」の使用量は回復しないまま。エクステリアと言う分野だけでその市場を支える事が可能か否かは分かりませんが、少なくとも「玄昌石」を見直す時期が来たのではないでしょうか?

そこで本日の一口アドバイス。

「過去、日本の代表的石材であった玄昌石。今、その魅力再発見の時が・・・」

(みずき りょう)

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「玄昌石」の岩盤

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採掘現場

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「玄昌石」の方形貼

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乱形用の「玄昌石」

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真黒色&魅力的石肌

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「屋根材」(かつては大量使用された)