「天然素材の魅力」第49回・・・あえて「低木三姉妹」と呼ぶ理由?
現代住宅にピッタリのサブツリー(副木・低木)を紹介中。この項では<ある共通点>を持った三姉妹(近樹種と言う意味ではない)「ユキヤナギ」「コデマリ」「アベリア」を取り上げます。でも、あえて三姉妹と呼ぶ意味は?
<三姉妹の共通点と相互メリット>
「ユキヤナギ」=バラ科シモツケ属の落葉低木。日本原産(中国原産説もある)。別名:コゴメバナ、コゴメヤナギ。学名は「Spiraea(シモツケ属) thunbergii」。花期は3月(早春に咲くものが多い)で花色は純白で小花を群開。枝を細く長く伸ばし、葉は非常に小さい。自生(天然)種は絶滅が危惧されている。
「コデマリ」=バラ科シモツケ属の落葉低木。中国中・南部原産。別名:スズカケ。学名は「Spiraea(シモツケ属 cantoniensis)花期は4月〜5月で「ユキヤナギ」より遅い。小さく純白の花を群開させるが、手毬のように纏まるのが特徴。八重咲もある。枝は細く葉も小さい。
「アベリア」=スイカズラ科ツクバネウツギ属の常緑低木。ツクバネウツギ属の学名が「Aberia」で学術的には同属の総称と言う事に成るが、園芸(庭木)的には「アベリア」×「グランディフローラ(grandiflora)」の交配種を指すことが多い。花期は5月頃〜10月前半頃までと非常に長い。ラッパ上に白く小さな花を随時群開。強い芳香有。枝は細く長く伸び、葉も小さい。
上記記述を見れば分かるように、「ユキヤナギ」「コデマリ」「アベリア」は細い枝を長く伸ばす、半蔓性植物のような低木。加えて、花が美しい・入手容易・お手頃価格・育てやすい(管理が楽)・・・などの共通点を持っています。しかも、花期が異なるため、3種を使い分けると、早春~秋まで連続で花を楽しむことが出来ます。勿論、別系統の樹木(「ユキヤナギ」「コデマリ」は同系統で「アベリア」は別系統)でありながら、あえて、低木三姉妹として紹介する理由もこの点にあります。
この三姉妹は、副木・低木として、住宅・公共スペースを問わず多用されてきました。しかも、枝が細く葉も小さいため、くどさがありません。このため、モダン系・装飾系を問わず、現代住宅にもピッタリ。加えて、3種を上手く配列するだけで、早春~秋まで庭に花を絶やす事もなくなります。そう、少し似た感じの似た3樹木を植えるだけで、長く花も楽しめる。こんな簡単な植物はそう簡単に見つからないと言う事!
また、最近では「コデマリ」は八重咲、「アベリア」はピンク花、等の園芸種も普及しだしており、より多くのバラエティーを楽しむこともできます。お手軽低木三姉妹。お宅の庭でも有効活用を・・・
そこで本日の一口アドバイス。
「ユキヤナギ・コデマリ・アベリア・・・もっと手軽に、もっと有効に使おう!」
(みずき りょう)
「ユキヤナギ」の樹形
「ユキヤナギ」の花
「コデマリ」の樹形
「コデマリ」の花
「コデマリ」の花:八重咲
「アベリア」の樹形(生垣)
「アベリア」の花
「アベリア」の花:ピンク