みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,078

「納得!エクステリア講座」第10回・・・プランは<マクロ〜ミクロへ>が基本?

第5章 プラン・積算書の作成方法と意味

この<第5章>では、エクステリアのプランと積算書の作り方・仕組みについて考えます。一見、一般のお客様にとっては関係が無い事のように思えますが、知っておく事で様々な重要事項が見えてきます。例えば、プランに関しては、図面やパース・イラストを見た時、単に上手い・下手だけではなく、プロが本当に意図した物・その人のレベルなどが見えるようになります。積算書に関しては、何をチェックすれば良いか、どの点に注意し見ればよいかがが分かるようになります。

そして、失礼ではありますが、殆どのお客様の見方が、間違っていたり、あまり意味のない所ばかりチェックしている事が極めて多い事も、ご理解願えると思います。

<プラン創りで最も大切な事はマクロ的視点>

まずプラン作成に関してですが、基本でかつ一番大切なポイントはマクロ的視点です。具体的には、A:敷地(あるいは対象エリア)全体+周辺状況の把握 B:お客様の真意の理解・・・この2点のを正確に把握すると言う事。もう少し分かり易く以下で説明しておきます。

A:に関しては、対象スペースの広さ、高低差(段差)をまず正しく理解する必要があります。ただし、それだけでは不十分。廻りがどのような条件になっているかも、頭に入れておかなければなりません。廻りの地形、道路との繋がり、隣地とのつながり、位置(東西南北)と陽当たり条件などが、その基本項目となります。

もっと分かり易く言えば、お客様が「**部分に**をしてほしい」と言ったとき、**の敷地図・現状写真等で対象部分+周辺部分の状況をまず頭に叩き込む必要があると言う事。それが出来るか出来ないかで、プラン作成能力に決定的な差が出ます。

B:に関しては、お客様の具体的要望だけではなく、それを<何のために行うか>と言う真意を正確に把握すると言う意味です。<ここにデッキを付け、その周辺に木を植えて欲しい>と言うご要望であったとします。そのままラフプランを作成し・概算価格を出した場合、一見問題が無いように思います。でも、デッキの使い方がハードであった場合は、タイルテラスの方が良い場合もあります。周辺に植える樹木は、鑑賞だけではなく目隠しも兼ねている場合、板塀と植栽をセットした方が良い場合もあります。

従って、プラン作成に入る前に、デッキはどんな使い方をするか、なぜ周辺に樹木を植えたいのかを確認しなければ、作業に入る意味がありません。さらに言うなら、その場所でそのようなものを造るのは不適切だと言う事を伝えなければならない場合もあります。

だからこそ、プロは絶えず冷静にかつマクロ的視線で、空間とお客様のご要望をチェックする必要があります。

そこで本日の一口アドバイス。

「マクロ的視点と真意の把握! プラン作成はそこからスタート!」

(みずき りょう)

10:施工前

 

 

 

 

 

 

リフォーム前のガーデン・・・どのようなプランを創るにしても、広さ・形状・段差等の敷地条件に加え、様々な周辺条件も正確に把握しておく必要がある。そうしないと、一見素晴らしい作品が出来たと思っても、予想外のトラブルが発生する事がある。

 

10:施工後

 

 

 

 

 

 

上記敷地のリフォーム後・・・敷地と周辺条件をベースに、お客様のご要望をチェック。その時、計画を大きく変更すべきだと伝える事もある。そうでなければ、このように本当に満足していただける作品を提供することは出来ない。

 

10:土間仕様

 

 

 

 

 

 

掃き出し窓前のリフォーム・・・掃き出し窓前のリフォーム依頼は結構多い。ただし、目的により、どのようなテラスにするか、屋根はどうするか、どの程度囲いが必要か、デザインはなど、使い方によりしようが大きく変わる。当然、お客様との意思疎通が極めて重要なポイントとなる。