みずきりょう の:エクステリア&ガーデンメモ NO3,089

「納得!エクステリア講座」第21回・・・バリからの風「アジアンテイスト」!

「モダン系」「南欧風」「中東風」に続き、今回は「アジアンテイスト」と言うデザインについて検証します。

<なぜ「バリイメージ」に憧れるのか?>

アジアと言っても、中国・タイやベトナム・南方の島々・インド方面など、様々な顔(イメージ)があります。でも、建築やエクステリア(住まいの屋外空間)の世界で求められている「アジアンテイスト」とはもっと限られたイメージと、それを基にしたデザインです。具体的には、バリ島のリゾート建築物・タヒチ島で描かれたゴーギャンの世界など。つまり、一般的アジアでは無いアジア。

もう少し分かり易く言うと、熱帯の気候+エキゾチックな雰囲気+ヨーロッパ的リゾート≒「アジアンテイスト」と言う事でしょう。従って、アジアの中に欧米的な理想郷を求めているともええます。うがった見方をすれば、「コッツウォルズ」「バルビゾン」「南欧風」などと同じ感覚で、ごく限られたアジアに夢を馳せているのかもしれません。

従って、「中東風」と同様で、家屋〜エクステリア全てを「アジアンテイスト」で統一すると言う事はまずありません。屋内ならば、インテリアをエキゾチックな雰囲気にする。エクステリアであれば、「アジアンテイスト」のコーナーを作る、ガーデンステージ(プライベートガーデンの主要部分)を「アジアンテイスト」に纏める。等々。

結果として、アジア風の構造物をつくると言った事はごく希。構造物自体は一般的なものだが、その装飾部分や植栽部分を「アジアンテイスト」風に。通常は、このような対応となります。従って、仕上げ段階のデザインと共に、グッズをどのように使うかが大きなポイントとなります。一時期、バリグッズブームが興ったのもそのためでしょう。ただ、「アジアンテイスト」に強い関心を持ったお客様の要望で、バリ島からガゼボを直輸入し設置したと特例(写真参照)も。これなど、ガーデンの構造物自体から「アジアンテイスト」にこだわった数少ない事例と言えるでしょう。

では、ビジュアル的にはどのようなものを「アジアンテイスト」と呼ぶのでしょうか? 難題です。だからこそ、原点となる「バリイメージ」の空間、ゴーギャンの作品などを提示しておきますので、そこから貴方独自の「アジアンテイスト」を創りだして下さい。そして、限られた空間ではあるが貴方なりにとことんこだわってみる事自体が、「アジアンテイスト」の本当の魅力であるのかも知れません。

そこで本日の一口アドバイス。

「アジアンテイスト、それは貴方が考えるイメージとこだわりから生まれる世界?」

(みずき りょう)

 

21:リゾート

 

 

 

 

 

インドネシア「バリ島」のリゾートホテル・・・そこにある本当のアジアではなく、「アジアンテイスト」とは、欧米の視点をベースとした<非日常の世界>とも言える。

 

21:ゴーギャン

 

 

 

 

 

 

 

「タヒチ島」(ポリネシア)でのゴーギャン作品・・・熱帯の島にゴーギャンは何を観たのか。ヨーロッパ人の目を通した、もう一つのアジアに日本人は憧れているのかもしれない。

 

21:ガゼボ

 

 

 

 

 

 

「アジアンテイスト」ガーデン・・・「バリ島」から直輸入した「ガゼボ」を設置し、全体を「アジアンテイスト」にまとめたプライベートガーデン。ここまで本格的な作品は希。ただし、それでも家屋自体は一般的洋風建築物。